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2008年05月24日

Ep#06 「 その 白き毛皮のお客様は…  VISITOR 」

「 我輩はネコである。NAMAEは、、、」

ケイト
「 ハ〜イ、‘neco’。」
そう言って、ケイトが‘neco’と呼ぶイキモノの視界に、ボウルを持った彼女が入ってきた。

「 、、このイキモノからは‘neco’と呼ばれておる。」


Ep#06 「 その 白き毛皮のお客様は…  VISITOR 」


ケイト
「昼食よ。お食べ。」
自分の店の裏口付近で、
しゃがんで‘ネコ’の眼の前に、自分が作った料理が入ったボウルを置いたケイト。
「Myaaaaa。」
ケイトが作った料理を食べ始めた‘ネコ’。
ケイト
「おいしい?」
「Myam。」
ケイト
「そう、おいしい。」
「 我輩は、此処に来れば、
このイキモノに食べモノを食べさせてもらえるのである。」
ケイト
「 あの太ったイキモノが来なくなってからは、
 あなたが‘この街’で一番、あたしが作った料理をおいしく食べてくれてるわ。
 あいつが来なくなってから当店(ウチ)は売り上げが落ちてるわ。
 、、あの時の事気にしてるのかしらね。」
◇ケイトの回想◇
ケイト
「 いいのよ、アル。」
アル
「 映画なら!
 …映画なら、
 主人公とヒロインが
 急に恋に落ちて、ロマンチックなシーンもあって、、、
 でもそんなの、
 2時間やそこいらの上映時間の中で客が飽きて帰らないようにする
 その為のモノだ。
 現実だ、今、俺たちが居るのは、現実の世界だ。」
ケイト
「 、、突然始まるのが恋じゃない。ねぇ。意気地の無い男よね。」
料理を食べ続ける‘ネコ’に同意を求めるかのように、
その頭を白い毛並みに沿って優しくなでたケイト。
◇ケイトの回想◇
アル
「 ……きみは、本当の俺を知らない。。。」
ケイト
「 、、本当のあなたって何?スパイか何か?あんなスパイ居ないわよねぇ。
 あなただって本当のあたしを知らないわ、アル。。。。
 、、だいだい、あたしは!太ってる男はタイプじゃないし、あいつは顔も良くないし。
 あたしはスマートなグッドルッキングなイケメンが好みだし。
 なのに、、
 あたしを守ってくれた。
 なんて、思う事してくれちゃうから、勘違いしちゃうわよね。
 ‘neco’あなたはあの太ったイキモノみたいに太っちゃ駄目よ。
 せっかく痩せてきたんだから。それと、、
 此処へ来るのをやめないでね。。。」
「 Myaaaaa。」
ケイトが作った料理を食べ終え彼女を見つめる‘ネコ’。
ケイト
「 ずっと来てくれるのね。ありがとう。
 さぁ、本日の昼の営業始めるわよ。じゃ、また夕方にね。待ってるわ。」
‘ この街 ’の空がうっすらと暗くなり始めている。
裏口の扉を開け出てきたケイト。その左手にはボウルが二つ乗ったお盆を持っている。
ケイト
「 ‘neco’や〜、‘neco’ぉ〜。」
「 Myaaaaa.」
ケイトの呼び掛けに答えて現れ、彼女の脛に体を擦り寄せた‘ネコ’。
ケイト
「 ハ〜イ‘neco’、夕食よ。」
しゃがんでお盆から二つのボウルを‘ネコ’の目の前に置いたケイト。
「Myaaaaa。」
ボウルの一つに入っている料理を食べ始めた‘ネコ’。
ケイト
「 今日は一日何してたの?」
「Myaaaaa。」
ケイト
「 そう‘ この街 ’を散歩してたの。ウォーキングね。
 一日運動して疲れたでしょ。疲れを取る特製ドリンクも召し上がれ。」
ケイトに勧められもう一つのボウルに入っている赤い色の特製ドリンクを飲む‘ネコ’。
「 MyamMyam。」
ケイト
「 そう、おいしい。」
おいしそうにドリンクを飲む‘ネコ’の姿を見てあの時の事を思い出してしまうケイト。
◇あの時◇
アル
「 おいしい!
 このドリンクは、
 労働で疲れた俺の体と心を潤してくれる
 ケイトが生んだ至福の極みだよ。」
ケイト
「 あの太ったイキモノの事を思い出させてくれるなんて、‘neco’、
 あなた意地悪猫さんね。」
「 Myaaaaa。」
かなしい眼でケイトを見上げた‘ネコ’。
ケイト
「 あなたは、
 ‘この街’で一番、あたしが作った料理をおいしく食べてくれるから特別に許してあげる。」
そう言って‘ネコ’の頭を白い毛並みに沿って優しくなでたケイト。
「 Myaaaaa。」
自分を見つめる‘ネコ’の顔を見て笑顔になったケイト。
「 さぁてとっ、夜の営業も頑張るわよ!」

ケイトの店の裏口で、背すじをピンと伸ばし座っている‘ネコ’。
「 Myaaaaa。Myaaaaa。」
何度鳴いても、裏口の扉が開きケイトが出てくる様子は全くない。
「 我輩に食べモノをくれるあのイキモノは、
何日かに一度、こうやって我輩の呼びかけに一切答えぬ時がある。
そんな時我輩は、お腹を空かせながら此処を離れ、
食べモノを食べさせてくれる別なイキモノを探して、
‘この街’を歩かなければならないのである。」
ケイトの店を離れ、‘この街’を歩く‘ネコ’。
なかなかそのお眼鏡に適う家が無く歩き続ける‘ネコ’が、
その前を横切ったアンティークな佇まいの建物。
その建物の中に居るセシリー。
本棚からハード・カバーの本を手に取りそしてテーブルへとついたセシリー。
セシリーのもとへ飲み物を運んだ性別判別不能な謎の老人。
ようやく、何十軒目かのとある家の前で立ち止まった‘ネコ’。
「 此処にしてみるかのぉ。」
その家の塀に飛び乗り、辺りを窺(うかが)い、
真新しいプールがある緑の芝生が植え込んである庭へと舞い降りた‘ネコ’。
TVの音声( タイトル・コール )
「 ユー・ウォッチン’・ナ〜オッ、
 ミュージック・チャンネルっ。
 マっダンナっ・スペっシャぁぁ〜ルっ。」
−TVの画面−
♪LIKE A VIRGIN♪

リビングにあるTVの前で画面に映る、
マドンナの♪ライク・ア・ヴァージン♪のプロモーション・ビデオを観ながら、
ビデオに合わせ一緒になって歌い踊るデイジーとクリスティー。
「 〜♪ライク・ア・ヴァージン ヘイっ!♪ 」
−TVの画面−
♪MATERIAL GIRL♪

リビングにあるTVの前で画面に映る、
マドンナの♪マテリアル・ガール♪のプロモーション・ビデオを観ながら、
ビデオに合わせ一緒になって歌い踊るデイジーとクリスティー。
「 〜♪ウィァっ・リヴィングっ・イナ・マテリアっ・ワールド
    エナ〜イ・アマ・マテリアっ・ガール♪ 」
クリスティー
「 ねぇ知ってる? 
 このPVは、
 マリリン・モンローの、
 『 紳士は金髪がお好き 』っていう映画のミュージカル場面を再現しているの。
 それとぉ、遠い東の国には、
 ♪ウィァっ・リヴィング♪の部分が、
 " ビール瓶 " に聞こえちゃうヒ徒が居るんだってぇ。」
デイジー
「 え"ぇぇぇ!?そんなふうに聞こえないわよ!
 MADONNAをナメてるわぁ!」
−TVの画面−
♪OPEN YOUR HEART♪

リビングにあるTVの前で画面に映る、
マドンナの♪オープン・ユア・ハート♪のプロモーション・ビデオを観ながら、
ビデオに合わせ一緒になって歌い踊るデイジーとクリスティー。
「 〜♪オープン・ユア・ハート・トゥー・ミー ユー・ターン・ザ・キー♪ 」
デイジー
「 男ってなんで女の裸が好きなのかしら?不潔よねぇ。」
クリスティー
「 ほんとよねぇ。」
−TVの画面−
♪PAPA DON’T PREACH♪

リビングにあるTVの前で画面に映る、
マドンナの♪パパ・ドント・プリーチ♪のプロモーション・ビデオを観ながら、
ビデオに合わせ一緒になって歌い踊るデイジーとクリスティー。
「 〜♪アっム・ゴっナ・キっ・マイ・ベイベぇ♪」
クリスティー
「 ねぇ知ってる? 
 このPVでMADONNAのパパを演ってるのは、
 ダニー・アイエロって言う俳優さんなのよ。
 ねぇ、デイジー、妊娠したらどうする?」
デイジー
「 えぇ!?考えた事無いよ。」
クリスティー
「 この歌みたいに産んじゃう?」
デイジー
「 わからないよ。」
−TVの画面−
♪EROICA♪

リビングにあるTVの前で画面に映る、
マドンナの♪エロティカ♪のプロモーション・ビデオを観ながら、
ビデオに合わせ一緒になって歌い踊るデイジーとクリスティー。
「 〜♪エロティカ、ロマンス エロティカ、ロマンス
    マイ・ネーム・イズ・ディータ
    ア・ビィ・ユア・ミストレス・トゥナイト
    アっ・ラっクっ・プっ・チュ・インナ〜・トラーンス♪」
デイジー
「 ダニー・アイエロ。あ〜あ、エロ繋がりで♪エロティカ♪なのね!」
クリスティー
「 え"ぇぇぇ?デイジー、あなたのそのセンス、流石怪獣親父のD.N.A.譲りね。。。。」
突然消えたTVの画面。
デイジー
「 え!何?」
「 こんなモノ観るんじゃない。」
声がした後方を振り返ると、
TVのリモコンを右手に持ち腕組みして立っているアルの姿がデイジーの視界に入ってきた。
アル
「 洗濯モノ干しを終えてリビングに来てみりゃ何だこりゃ!
 父さんが洗濯モノ干しをしてる隙を狙ってこんなSMチャンネルなんか観るんじゃない!」
デイジー
「 SMじゃないわよ!
 MADONNAの♪EROICA♪のプロモーション・ビデオよ!」
デイジーとアルが口喧嘩してる隙にTVの電源を入れたクリスティー。
アル
「 あ!」
TVの画面に再びMADONNAの♪EROICA♪のプロモーション・ビデオが映ったのを観て、
慌てて再びリモコンで電源を切りTVの前へと走ったアル。
アル
「 SMチャンネルなんて観させはせん!観させはせんぞぉぉっ!」
TVの画面をその大きな体で塞いだアル。
デイジー
「 ちょっとぉ!リモコン返してよー!」
アル
「 駄目だ!」
アルの手からリモコンを奪おうとするデイジーとクリスティー。
そうはさせまいとするアルとの攻防戦が続く。
リモコンを持つ手を高く上げていたが突然、
そのリモコンをスウェットの下に穿いているトランクスの中へと入れたアル。
「 リモコンは今、父さんのトランクスの中にAL!しかもケツの方になっ。
 WORLD IS NOT MY ASS.
 ワールド・イズ・ノット・マイ・アス
 世界は俺のケツじゃねぇ!」
デイジー
「 何言ってんのよ!何て事するのよぉっ!あぁもうそのリモコン使えないじゃないよぉぉ。」
アル
「 おお、それは良かった。くっだらないバラエティ番組を観ないで済むではないかね。
 それは即ち我がウェイバー家(ウチ)の電気代を節約し家計を助ける事と成り、
 しいてはペコポン(地球)温暖化防止に繋るのですぞぉ〜。
 なんてECOなんだ〜あっ!ペコポン(地球)に優しい家族でALiますぞ〜おっ。」
クリスティー
「 ちょっと怪獣父さん!何でMADONNAのPV観ちゃいけないのよ!」
アル
「 MADONNAって奴はなぁ♪処女の様に♪って歌ってみたり十代の妊娠歌ってみたり。
 子供にゃ有害なんだよ、有害!観せられるか!そんなモン!
 挙げ句の果てにSMとはどういったこったい!」
クリスティー
「 MADONNAは女性の独立と性の解放を歌い続けているのよ!」
アル
「 なぁにが性の解放だぁ!その結果なぁ、
 避妊しない奴等が現れて、望まない出産してその挙句、
 親に捨てられる子供が現れるんだよぉ!
 それならまだましだ、堕胎されるよりはなぁ!」
クリスティー
「 あたしみたいにね。」
アル
「!」
クリスティー
「 あたしは親に捨てられた子供。でも大丈夫、
 捨てる親在れば拾う親在りだから。」
鋭い眼光でアルを見据えるクリスティー。
アル
「 、、ごめん、おまえの事を言ったわけじゃないんだ、クリスティー。
 世の中はおまえたちが思ってる程あまくないんだ。。」
クリスティー
「 そんなの経験して解ってるわよ。」
アル
「 ……。」
デイジー
「 あんたVAQA!行こうクリスティー。」
アルに怒号を浴びせ、
クリスティーの手を取りその場を去り出かけたデイジー。
うな垂れてソファーへドカッと座ったアル。
臀部に違和感を感じ、そのもとであるTVのリモコンを、
トランクスの中から取り出しソファーへと置いた。
「 …またしでかしちまったかな。。。」
ゆっくりと目蓋を閉じたアル。
アルの膝を指でツンツンと軽く叩いたエミリー。
目蓋を開けたアル。その眼は心なしか涙目になっていた。
「 …なんだ?エミリー。」
今、目の前に居るエミリーにそう問うたアル。
アルの目の前にスケッチブックを差し出したエミリー。
そのスケッチブックを手に取り見るも、白い紙にしか見えないアル。
「 なにも描いてないじゃないか。」
アルにそう言われ、
「 むっ!」
と、口を尖らせ、アルの手を取り窓際へ連れて来て窓の外を指差したエミリー。
アル
「 ん?」
窓の外に広がる緑色の芝生が生えている庭に、
背すじをピンと伸ばし座り、
家の中のエミリーとアルを見ているイキモノを見つけたアル。
「 アレを描いたのか?エミリー。」
自分の身長の半分にも届かないところにあるエミリーの顔を見つめそう問うたアル。
「 うんっ。」
ゆっくりとそして深くうなずいたエミリー。
アル
「 エミリー、白い画用紙に白いクレヨンで白い猫を描いても父さんには見えないよ。」
アルにそう言われ、
「 むっ!」
と、再び口を尖らせ上から見下ろすアルの顔を見たエミリー。
アル
「 せめて白い色じゃない色で縁取りしてくれよ。」
アルにそう言われ、
「 むうっ!」
と、上から見下ろす、
アルの顔へ届けとばかりにかかとを上げ背伸びをしたエミリー。
アル
「 あ!はい、ごめんなさい。」
エミリーの気迫につい謝罪の言葉を発したアル。
次いで窓の外に居る‘ネコ’を見たアル。
「 そうだ!」
「 ん?」
と、首を傾げたエミリー。
リビングの窓ガラスを開け右手にボウルを持ちゆっくりと庭に出て来たアル。
‘ネコ’を見ながら逃げ出さないようにゆっくりと近づき、
窓から3m程離れた所にボウルを静かに置いたアル。
‘ネコ’を見ながらゆっくりと後ろ足で戻るアル。
ゆっくりと静かに窓ガラスを閉めたアル。
「 かくれろエミリー。」
一連のアルの行動を見ていたエミリーを引き連れソファーの後ろに隠れたアル。
「 あのボウルのなかにマンゴージュースをいれたんだ。
 あのしろいネコサンはのんでくれるかな?」
エミリー
「 のんでくれるよ〜!」
ソファーの後ろから様子を窺うエミリーとアル。
庭では、
ボウルにゆっくりと近づきそしてマンゴージュースを飲み始めた‘ネコ’。
リビングでは、
「 yataaaaa!」
と、ハイタッチをしたエミリーとアル。
窓ガラスを開け、
両膝をつき両手をつき全く同じ姿勢で庭に居る‘ネコ’を見ているエミリーとアル。
マンゴージュースを飲み終えエミリーとアルに顔を向けた‘ネコ’。
「 あのイキモノは、確かぁ、、」
◇‘ネコ’の記憶◇
夜、幾多のゴミバケツの間に身を潜め何かを見つめている‘ネコ’。
その眼に見えているのは宙を舞うアルの姿。
‘ネコ’に聞こえるアルの声
「 " 天(あま)翔(かけ)るデブのときめき " だ!」
アルの掌打を喰らい宙(そら)に舞う黒尽くめの2人の男達。
怯えている男を後ろ手に締め上げ建物の壁に強引に押し付けたアル。
‘ネコ’に聞こえるアルの声
「 俺の女に手を出すな。」
逃げて行く男達。
‘ネコ’に聞こえるケイトの声
「 無茶な事しないで!」「 、、、ありがとう、アル。」
‘ネコ’に聞こえるアルの声
「 俺は、、きみのために。。。」
「 、、あの時の。。」
アル
「 そうですか、貴方様は、マスター・カリンとおっしゃるのですか。
 マンゴージュースを気に入って頂けてわたくしめも嬉しいでALiます。」
エミリー
「 ?、だれとはなしてるの?ママじゃない奴。」
不思議そうにアルを見てそう問うたエミリー。
アル
「 マスター・カリンだよ。」
エミリー
「 マスター・カリンってだれ?」
アル
「 にわにいるアノ白い猫だよ。エミリーにもきこえたろ?」
顔を左右に振ったエミリー。
アル
「 だって、とうさんにはきこえたぞ。」
エミリー
「 エミリーにはきこえなかった。」
アル
「 え?」
エミリーから視線を外し庭に居る‘ネコ’を見つめるアル。
「 …俺だけに聞こえたのか?」
庭からアルを見つめている‘ネコ’。

クラリス
「 おやすみ、フランク。」
既にベッドの中に居るフランクのおでこにおやすみのキスをしたクラリス。
フランク
「 おやすみなさい。」
部屋の入口で照明を消したクラリス。
照明を消しても床に置いてあるパチモンのGAMERA型ライトは、
淡い色で点灯していて眠りを妨げない程度の明るさでフランクの部屋を照らしている。
フランク
「 むかしのことってなんだろう?」
◇フランクの回想◇
「 う、うぅぅ、、、」
フランクを抱きしめながら涙がこぼれ出したアル。
フランク。
「 どうしたの?」
アル
「 、、、昔の事を、思い出しちまった、、、うぅぅ、、、」
フランク
「 むかしのこと?」
アル
「 う"!」
突然、
血の気の無い女性の顔がフラッシュバックし、
胸が締め付けられるように苦しくなり、
フランクを抱きしめるのを止めたアル。
フランク
「 おじさんどうしたの?」
アル
「 、、直ぐに治まるから、、、」
太い首から提げているレザー・チョーカーの先端部分にある、
銀色のカプセル型ペンダント・ヘッドを、
ポロシャツの下から出しそれを握り締めながら耐えているアル。
フランク
「 …………。」
アルを案ずるも、何も出来ずにただアルを見ているしかないフランク。
アル
「 、、、はーあ、もう治まったよ。心配かけてごめんよフランク。」
胸の苦しみが治まり深呼吸してフランクにそう言ったアル。
フランク
「 ……。」
フランク
「 、、GAMELAおじさん…。」
枕のすぐ横にあるナイト・テーブルから、
フランクを見ているパチモンのGAMAERAのソフビ人形を見て、
アルの事を想うフランク。
ベッドの上で本を読んでいるクラリス。
プールルルル。プールルルル
クラリスの寝室に主を呼ぶ電話の着信音が鳴った。
着信音に反応し、そして、何かを解っているように笑顔になったクラリス。
着信音は留守録開始を知らせる\ピーッ!/というBeep音と、
留守録に録音するモノの声に変わった。
「 もしもし、クラリス、もう寝ちまったかい?」
クラリス
「 今晩はアル。」
受話器を取り話し始めたクラリス。
受話器から聞こえてくるアルの声
「 今晩は。起きてたかい?」
クラリス
「 ええ。本を読んでたの。」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 本?」
クラリス
「 そう、『 赤毛のアン 』を読んでたの。」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 女の子が好きな本だよね。残念ながら俺は読んだ事が無い。」
クラリス
「 アル、貴方が『 アン 』を読んでたらイメージに合わないわ。」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 け!言ってろ。
 !、違うよ、こんな事言う為に電話したんじゃないんだ。
 今日我がウェイバー家(ウチ)にお客様がいらっしゃったんだ。
 誰だと思うね?」
クラリス
「 え?判らないわ。」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 ならば特別にサービスサービスで教えてさしあげよう!
 その 白き毛皮のお客様は… マスター・カリンとおっしゃるのだよぉ〜。」
クラリス
「 は?」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 白毛のネコだ。」
クラリス
「 マスター・カリンって言ったわよね?人じゃないの?」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 猫だ。」
クラリス
「 あ、そうなの。マスター・カリンはアルがつけた名前なの?」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 いや、マスター・カリンが教えてくれたんだ。不思議なんだ、俺には、
ワシはマスター・カリンじゃ。
 って言ったのが聞こえたのに、
 一緒に居たエミリーには聞こえなかったんだ。」
クラリス
「 それは不思議な経験をしたわね。」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 ああ。、、ん?君は赤毛。で、俺は白毛。赤色と白色。めでたいな。」
クラリス
「 え?」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 日出ずる国ではめでたい事を赤色と白色で祝うんだよ。」
クラリス
「 何でそんな事知ってるの?」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 在米日本人の義弟が教えてくれたんだ。」
クラリス
「 そう。何のお祝いかしら?」
受話器から聞こえてくるアルの声
「 君と俺の事。」
クラリス
「 え?」

ウェイバー家の庭に背すじをピンと伸ばし座り、
家の中を見ている‘ネコ’。
リビングから‘ネコ’を発見したデイジー。
「 あ!あの白毛のネコまた、我がウェイバー家(ウチ)の庭に来てる!
 追い出してやる!」
リビングの窓ガラスを開けようとするデイジー。
アル
「 待てデイジー!
 マスター・カリンの事を赤毛のアンみたいな言い方するんじゃない!
 マスター・カリンは父さんの大切なお客様なのだぞ、
 追い出すなんて以ての外だ!」
左手にマンゴージュースが入ったボウルを、
右手にエサが入ったボウルを持ち、
ダイニングからリビングに居るデイジーにそう言い放ったアル。
デイジー
「 そうやってエサを与えるから来るようになったんじゃないよ!」
アル
「 違いますぅ〜、
 マスター・カリンに我がウェイバー家(ウチ)の庭に来て頂いた方が先ですぅ〜。」
デイジー
「 ぅ〜 を伸ばすんじゃないわよ!
 野良猫なんかのエサに無駄遣いしてるんじゃないわよ!」
アル
「 野良猫なんか だと。。。
 父さんの大切なお客様に向かってなんだその口の利き方は!
 それになぁ、無駄遣いなんかしてないんだよぉ!
 マスター・カリンには申し訳ないけど、
 食べて頂いているのはセシリーやクリスティーが作ってくれた前の晩の料理の残りモノだ。
 父さんだって仕事の時の昼食(メシ)は前の晩の残りモノ持って行ってるし、
 3時の休憩のマックス缶コーヒーちゃんだって止めてるんだよぉ!
 何にも解ってないくせに!あ"ぁ〜!、
 おまえはいっつも朝寝坊してるから、
 父さんが弁当詰めしてる姿を見た事が無かったな〜。こりゃぁ失礼ぇ!
 だいたい何だおまえは、ケイトの事とかフランクの事とか、
 今度はマスター・カリンか?」
デイジー
「 …。」
アル
「 おまえの方がどっか行っちまえってんだよぉ。」
デイジー
「!」
アルが放ったその言葉が心の奥に突き刺さり涙腺を刺激され、
涙が出そうになるのを必死に耐え、
「 あんたVAQA!」
そう言い残し走ってその場を立ち去ったデイジー。
「 おまえの方がVAQAだってんだよぉ。」
そう一人言ったアル。
左右に持ったボウルを床に置き窓ガラスを開け庭へ出て再びボウルを手に取ったアル。
‘ネコ’の眼の前迄来てしゃがみ二つのボウルを置いたアル。
「 どうぞお召し上がり下さい。マスター・カリン。」
「 Myaaaaa.」
食べ始めた‘ネコ’。
アル
「 おそよー日である休日に、マスター・カリンに、
 このようにわたくしめの娘が作りました料理を食べて頂けるのは、
 わたくしにとって至福の極みでALiます。」
「 MyamMyam.」
アル
「 おいしーでALiますかぁ!しかも完食とはわたくしめも嬉しいでALiます。」
食べ終えた‘ネコ’を胸に抱き庭に寝っ転がったアル。
「 お日様の下でこうしているととってもハッピーで気持ちいいでALiます。
 …わたくしめ何だか眠くなってきたでALiます。。。」
「 うるさいのぉ。」
アル
「 んがーすかぴーんがーすかぴー。」
「 このイビキさえ無ければ、
こやつの体の上は温かくて眠り易いのだがのぅ。ん?」
眠ってしまったアルの胸の上で、
そのうるさ過ぎるイビキの所為で、食後の一眠りにつけずにいた‘ネコ’の視界に、
ウェイバー宅上空に停止した光学迷彩を施した未確認な飛行物体が入ってきた。
その未確認な飛行物体の下部からウェイバー宅の庭に何やら怪しい光が照射された。
事の成り行きを静かに窺っている‘ネコ’。
何やら怪しい光の中を、
垂直にそして地球の重力に逆らい静かに下降して庭に舞い降りた、
これまた何やら怪しい緑色のイキモノ。
「 我輩、大地に立ったであります。」
「 何だおぬしは?」
「 !、わ、我輩の姿が見えているでありますか!?
 An
 Ti barrier na
 FIELDを発生させているからポコペン人には見えないハズなのに、、」
「 大きな蛙だのぉ。」
「 我輩、蛙じゃないであります!…ん?我輩を見ても驚かないでありますか?」
「 別に、驚く必要など何も無い。」
「(我輩の姿が見え、その上驚きもしないとは。もしやこのイキモノは。。)」
「 で、蛙じゃないおぬしは何モノだ。此処に何しに来たのじゃ?」
「 我輩、ポコペン(=地球)GET(侵略)だZE!する為にやって来た、
 とある星雲のとある惑星(ほし)の、
 宇宙侵攻軍特殊先行工作部隊隊長であります。」
「 ほぉお、地球を侵略しに来た
蛙みたいな緑色の異星人だというのだな。」
「 その通りであります。」
「 何故地球なんぞを侵略しようと思うのじゃ?
地球がまだ
1000年女王によって統治されていた時代(とき)は良かった。
しかし、1000年女王が地球に飛来しなくなった後(のち)は、
幼い地球人類が、
自らも自然の一部であるという事を忘れ地球を犯していっておる。
温暖化に天然資源の枯渇。
自らの愚かな行為によって自分で自分の首を絞めておる。」
「 …。」
「 それに地球は既に
自由を謳っている此処アの国が地球上に自由を広める為という名目で、
武力を用いて己の考えや信仰が違う国を侵略しておるぞ。」
「 そ、そうなんでありますか。。。
 我々はそんな原始的な侵略はしないであります。
 我々が目指すのは未来的な侵略であります。」
「 ならば、心を奪う、心略をお薦めするぞ。
心略しそして補完するのじゃ。」
「 心略 でありますか?」
「 さよう。
ワシのようにカワユイ身なりを最大限活かし、
相手をハッピーにして心略すれば暴動も起きんぞ。
今、ワシの下に居るこのイキモノもワシが心略した。
ワシに食べモノを献上しておるぞ。」
「 え!?今、貴方の下にあるそれはノイズ発生装置ではないんでありますか?」
「 違うぞ。
このイキモノは人間と総称する、
この惑星(ほし)・地球の人類の一人じゃ。」
「 そうだったんでありますか。」
「 このモノは、
幼過ぎで愚か過ぎな他の人間とはちょっとばかり違っておる。
 そうそう、心略するのであれば遠い東の国に行くがよい。
おぬしの心略活動を、
ドキュメンタリー・アニメとしてTVで毎週放映し、
おぬしのその緑色の体を存分に活用した
カワユイグッズを作成し販売して、
心略するのじゃ。
それが出来るのは、
自由を謳う此処アの国の植民国でヲタ立国である遠い東の国だけじゃ。
最後にもう一つ、
ポコペンは放送禁止用語じゃから、
ペコポンに言い変えたはうが良いぞ。」
「 有り難き助言の数々をありがとうございます。
 早速そのヲタ立国である遠い東の国へ行き心略を開始するであります。」
そう言い残し何やら怪しい光の中を垂直に、
そして地球の重力に逆らい静かに上昇して行く緑色のイキモノ。
「 やはり貴方は。。。」
光の中で小さくなっていく‘ネコ’の姿を見ながらそう言った緑色のイキモノを吸い込み、
音も無くウェイバー宅の上空を、
地球上の飛行物体では出来ない動きで飛び去った、
光学迷彩を施した未確認な飛行物体。
光学迷彩を施し人間の眼には見えない未確認な飛行物体を見送る‘ネコ’。
アル
「 …んん、、、ああ寝ちまった。買出しにいかなきゃ。」
目覚めたアル。
リビングの窓際で庭に居るアルと白い色の猫の姿を描いているエミリー。
エミリーが描いた絵には、緑色のイキモノも描いてあるのであった。

つづく

「 A I の地平に覚醒(めざ)めるか?A L 」


□ エンド・ロール □

STARRING

アル・ウェイバー( バズ・マイヤー ) : 富田耕生

セシリー・ウェイバー( エレナ・スコットフィールド ) : 坂本真綾

デイジー・ウェイバー( マイア・トンプソン ) : 大谷育江

エミリー・ウェイバー( ウェンディー・スウィックス ) : 矢島晶子

クリスティー( メグミーナ・スミス ) : 豊口めぐみ

フランク・ロシカ( ジョン・アストレイ ) : 小桜エツ子

クラリス・ロシカ( スージー・アイランドブック ) : 島本須美

ケイト・リプリー( ジェイン・ウィープ ) : 戸田恵子

TVの音声 : 新道喜行

蛙みたいな緑色の異星人( HIMSELF ) : 渡辺久美子

マスター・カリン( ブランカッツェ ) : 永井一郎

posted by 仮面ヒッシャー電脳< 俺、創造! 〕 at 15:34| Comment(0) | TrackBack(0) | 第2シリーズ MYD:U −血と肉と汗と涙と−  全13話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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