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2008年02月12日

Ep#03 「 ALaたなる出発(たびだち)のバラード  BRAND NEW DAY 」

PREVIOUS 『 My DAUGHTERS 』
前回は、

エヴァ「 喜べぇ〜兄貴ぃ〜、可愛い息子たちを連れてハルバル来てあげたわよ。」
“ 赤いの ” と “ 白い奴 ”は砕け、
その欠片が万有引力の法則に従い地球の重力に引かれて床へと堕ちて逝った。
アル「 おまえたちはいとも簡単に壊してくれやがって、、
日出ずる国でしか買う事が出来ない、ガンプラなんだよ。」
ジョージ「 おとうさん、にほんにしゅっちょうちゅうだよ。」
ディラン「 いつもみたいにウチのお父さんに日本で買って来てもらヱヴァ、いーじゃん!」
<<< 通話 >>>
アル
「 MGシャア専用ザクとMGガンダムとを買ってきてくれないか?」
コウ
「 いいですよ。わかりました。」

「 最後の恋だったんだぞ!」
そうぶち撒けたアルの両目からついに、涙が溢れ出た。
エヴァ「 シングル・マザーが最適かしら。」
コウ「 “ 嬉しい ” [ 女を喜ばすと嬉しい ] 恋する男心みたいな漢字でしょ。」

Ep#03 「 ALaたなる出発(たびだち)のバラード  BRAND NEW DAY 」

太く大量の筋肉を纏った青い巨体=アル・ウェイバーの、
欠けたヲタ心の修復が、終わりを告げる。
アル
「 出来たー!
 コウ、おまえの息子たちであるジョージとディランによって破壊された
 MGシャア専用ザクとMGガンダムが今、再び大地に立ちましたぞぉ〜。
 赤い色のモビル・スーツ。シャアなのか?
 見せてもらおう連邦のモビル・スーツの性能とやらを。」
自分の寝室でベッドを背もたれにして床に座り、
妹であるエヴァとその夫であるコウ・ヤマデラの二人の息子たち、
アルが、“ ヤマディラ’s BOYS ” としか発音出来ずにそう呼ぶ、
ジョージとディランが故意によるモノではなく壊してしまった、
MGシャア専用ザクとMGガンダムを作り終え、
それらを床に立てた後に手に取り遊び始めたアル。
アル
「 いやぁ〜、持つべきモノはやはり!
 義兄思いの在米日本人である、
 コウ・ヤマディラ!そなたでありますなぁ〜。
 日出ずる国でしか買う事が出来ないガンプラを買って帰ってきて、
 宅配便で送ってくれる優しい義弟を持てて、私は運がいい。
 こうやってガンプラを作り遊ぶ事こそが!わたくしめの至福の極みでALiあります。 」
ひとしきり遊び終えそれらを窓ガラスを開けショー・ケースへと仕舞い鍵をかけたアル。
アル
「 このALaたに購入した鍵付きショー・ケースに、
 俺の全てのヲ宝をしまい補完すれば、
 もうおまえたちに破壊されるなんて悲劇を繰り返さなくてすむ。
 えぇ〜、ど〜だぁ〜い!ヤマディラ’s BOYSぅぅ〜! 」
ショー・ケースに仕舞い込んだ己の全てのヲ宝=フィギュアとプラモを、
恍惚の瞳で見ているアル。
その瞳がふと、寂しげな瞳へと変わった。
アル
「 ……こいつらは、俺のヲタ心を潤してくれるヲタ文化の極みだが、
 俺に話しかけたりしない。勝手に動いたりしない、、 」
そう呟くと、
セシリーと一緒に食器洗いをしている時の事、
デイジーと口喧嘩をしている時の事、
エミリーに体におえかきされた時の事、
ジョージとディランにガンプラを壊された時の事が、目に浮かんだアル。
「、、生命(いのち)が宿っていないから。。。」

XYZマーケット・HILOTHGHIショッピング・モール店で、
セシリーに渡されたリストの最後の一行に、
赤色(あかいろ)のサイン・ペンで左から右へと一直線に線を引いたアル。
「 買出し完了! 」
メモから目線を上げると天井から吊らしてある
“ GARDENING ” と書かれた案内板が視界に入ってきた。
アル
「 ……… 」

アルが “ おそよー日 ” と、呼ぶ休日だったこの日の空がオレンジ色に変わりつつある。
アル
「 早く芽よ出よ、早くノビロ〜、ノビロ〜。 」
と、言いながら土が詰まったプランターに如雨露(じょうろ)で水を撒くアル。
「 プールの次は何? 」
アルが何をやっているのかを見る為に庭に出て来たウェイバー三姉妹を代表し、
そう問うたセシリー。
アル
「 家庭菜園を始めるんだよぉ〜。 」
ウェイバー三姉妹
「 かていさいえん? 」
アル
「 初めてやる事だから最初はこのプランターから始めるが、
 畑を作る為に その壱
 片手で鍬を持ち、おおきく振りかぶって、耕すべし!耕すべし!
 ってな具合に、この庭に畑を作りますぞぉ〜!」
ウェイバー三姉妹
「えぇ!? 」
アル
「 土をしてまれ出(い)ずる生命(いのち)。
 この世界に生命(いのち)を生み出(い)だす事が出来るのが、
 おまえたち女だけではない事を証明してやるってばよっ。
 エミリー!とうさんがこのせかいにうみいだしたぴーまんをたべてくれよぉ〜。」
ウェイバー三姉妹
「・・・・・」
アルの行動が理解出来ずにいるウェイバー三姉妹。

ケイト
「 はぁい、necoや、ご飯よ。 」
昼の営業の合間をぬって店外へ出て、
野良猫の “ neco ” にボウルに入れた、ケイト特製neco専用のエサを与えているケイト。
neco
「 Myam、Myam。 」
ケイト
「 そう、美味しい。 」
エサを食べているnecoの頭を白き毛並みにそって優しくなでているケイト。
「 デブ猫ちゃんのあなたをの事を見てると、あの太ったイキモノの事を思い出すわ。 」
◇ケイトの回想◇
「 いいのよ、、アル。」
ケイトは、
右手でアルの太い左腕を掴み、そして左膝を立てた。  
アル「 ! 」
次いで右膝を立てようとしたその瞬間、
アルは慌てて立ち上がり
ケイトから距離を置いて半身の状態に成った。
ケイトから顔を背けているアル。
「 俺は別に下心があってあの男達をやっつけたワケじゃない!
俺がそうしたかったからそうしただけで、
見返りなんか求めてなんかしてやしない!だって俺は、
きみの事が、、」
ケイト「 大人には、大人の癒し方があるわ。」  
アル「 …俺はまだ、、、それに、
  ……きみは、本当の俺を知らない。。。」
ケイト
「 …もう、いいの。。。 」
店内では常連客達が昼食を食べている。
その中のテーブル席に座っている4人の常連客達。
常連客A
「 最近ケイトの店は広くなったと思わないか? 」
常連客B
「 はぁ?改装工事はしてないぞ。 」
常連客C
「 カウンター席の一番奥にあったカベがなくなったからじゃないか。 」
常連客D
「 それって、青い巨体の事か? 」
常連客C
「 散らかっている部屋を片付けると広く感じるのと同じ現象だ。 」
常連客A
「 なるほど!青い巨体がいつも居た席に居ないから広く感じるってわけか! 」
常連客D
「 ここんとこ見かけないけどアイツどうしたんだろう? 」
常連客C
「 ケイトにフラれたんじゃないのか。 」
常連客A
「 だから恥ずかしくて来れないんだな。 」
常連客C
「 脈無しじゃ来る必要もないだろう。 」
常連客B
「 俺見たんだ。
 夜の営業の時、青い巨体が座ってた専用席に、
 アイツから正反対の、ハンサムでスマートで、
 アイツより若くて、髪がサラサラな男が座ってケイトと親しげに話してるのを。 」
常連客D
「 そういや俺も見た! 」
常連客C
「 そりゃデキてるな。 」
常連客A
「 あちゃーっ、フラれた上にケイトにはもう新しい男が!
 ダメじゃん、青い巨体。 」
necoに昼食を与え終えて店内に戻ってきたケイト。
「 や〜ぁ!ケイト〜ぉ! 」
「 いらっしゃい。 」
来店した常連客と挨拶を交わしたケイト。
「 おっとー、俺の座る席は空いてないのか? 」
「 カウンターの一番奥の席が空いてるわよ。 」
ケイトの言うとおりにカウンターの一番奥の席に座ったその常連客。
その様子を見ていたテーブル席の常連客達。
常連客A
「 あ〜あ、座っちゃったよ、青い巨体専用席に。 」
常連客D
「 あの席、もう誰が座ってもいいんだな。何か寂しいな。 」
常連客B
「 アイツ巨体(デブ)なくせに、イジられ・キャラでイジると面白かったからな。 」
常連客C
「 嘆く事はない。青い巨体がこの店に現れる前の状態に戻っただけさ。。 」
常連客A、B&D
「 …。 」
四人が四人とも心の奥に一抹の寂しさを感じていた。

エミリー
「 わ〜い!ママじゃない奴ぅ〜! 」
いつものようにザイウォン学園付属幼稚園に、
むかえに来たアルの大きな体に向って走るエミリー。
片膝をつき走ってきたエミリーを受け止めハグをするアル。
そして、いつものように、
「 エミリー、ママじゃない奴とよぶな!とうさんとよべ!」
エミリーの手を握り立ち上がり帰宅へのはじめの一歩を踏み出したアル。
フランク
「 あ!かいじゅうだっ! 」
アル
「 ! 」
その声に反応し歩みが止まったアル。
「 聞こえちゃったじゃないよ!フランク! 」
フランクの隣でそう言ってあわてている女性。
「 今、俺のバイニック改造手術を施していない両耳でさえも、
 聞き捨てならない言葉を聞いたのだがなぁ"ぁ"。 」
そう言いながら声がした後方へゆっくりと顔を向けるアル。
アルの視界には、見慣れぬ小さきイキモノが入ってきた。
「 オマエかぁ"ぁ"、今この俺の事を“ 怪獣 ”呼ばわりしやがったのはぁ"。
 いいか、そのちっこい耳の穴かっぽじってようく聴け、
 この世界でこの俺の事を“ 怪獣 ”呼ばわりしていいのはなぁ"、
 この俺が認めた人間だけなんだよぉ"。
 おまえみたいな、何処の馬の骨とも判らぬヤツがこの俺の事を
 “ 怪獣 ”呼ばわりしていい資格などまったくもって何処にもないんだよぉ"。
 どんな親に育てられてんだぁ"。親の顔を見てみたいモノだなぁ”。 」
低い声でそう言いながら、
声を発したその小さきイキモノの前迄ゆっくりとその巨体を運んできたアル。
自分の身長よりも2倍くらい高く、体重は4倍くらいあるアルが、
目の前に立ち恐い顔で上から見下ろしているにもかかわらず、
目をキラキラと輝かせアルを見上げて微笑んでいる、
その小さきイキモノ。
「 この子怪獣が好きなんです! 」
小さきイキモノの隣に立つ女性がアルの恐さに恐怖し、
自分が本来言おうとした事とは違う言葉を口走ってしまった。
アル
「 この俺の事を“ 怪獣 ”呼ばわりしていいのはなぁ"
 この俺が認めた人間だけなんだよぉ"。おい、女、誰だオマエはぁ"? 」
今初めて視界に入った小さきイキモノの隣に立つ女性に恐い顔で低い声で問うたアル。
「 あ、あたし、、、こ、この子の母親で、、ク、クラリスって言います。 」
アルの恐さに耐えながらやっとの事そう言えた小さきイキモノの母親。
アル
「 親の顔を見る事が出来たZE。私は運がいい。 」
「 フランク・ロシカ。。。 」
そう低いトーンで言ったエミリー。
アル
「 このこがフランク・ロシカなのか?エミリー。 」
エミリー
「 そう。 」
アル
「 ファーーーっ!!!! 」
怪獣が映画の中で口から火を放つように雄叫びを上げたアル。
「 おまえが、フランク・ロシカかぁ"ぁ"!
 よくもMyLOVELY園児ェル・エミリーと、
 この俺の許可無しで結婚しそのうえ離婚迄してくれやがったなぁ"ぁ"ぁ"!!!
 えぇ"!こらぁ"ぁ"ぁ"!!」
体内から放出されたオーラが竜巻のようにアルの体の周りを廻っている。
「 貴方の事が好きなんです! 」
「 えっ!? 」
フランク・ロシカの母親=クラリス・ロシカから思わぬ言葉を聞き、正気に戻ったアル。
クラリスの事を見つめているアル。
アルの事を見つめているクラリス。
暫くの間(ま)。の後、
クラリス
「 この子、貴方の事が好きなんです。 」
アル
「 アンタが、俺の事を好きなんじゃないの? 」
クラリス
「 この子が、貴方の事を好きなんです。 」
アル
「 …あ、そ。。。 」
ちょいと期待したのに、こんなオチにヘソが曲っちまったアル。
そんなアルの視界にフランクが手にしているモノが飛び込んできた。
「 そのフィギュア、何だか解っているのか? 」
フランク
「 GAMERA! 」
アル
「 何故GAMERAのフィギュアを持っているんだ? 」
フランク
「 GAMERAがすきだから! 」
アル
「 何故GAMERAが好きなんだ? 」
フランク
「 GAMERAは、そらをとべてこどものみかただからすきなのっ! 」
アル
「 そうか。俺も同じ理由でGAMERAが好きだ。
 オマエとは気が合うかもしれない。 」
フランクへちっさい笑顔を飛ばしたアル。
フランク
「 エヘヘ。。 」
アルへデッカい笑顔を飛ばし返したフランク。
アルの怒りが治まり、なおかつ、
アルと友達に成れるかもしれないと笑顔のフランクを見て微笑んでいるクラリス。
そんな三人を見て独り厳しい表情でいるエミリー。

セシリーがこの世界に作りし料理を食(しょく)すウェイバー家のこの日の夕食。
アル
「 エミリー、
 なんでこんやは、とうさんのすぐひだりとなりのセシリーおねぇちゃんの、
 そのまたとなりにかくれるようにすわってるんだ?
 ごはんをたべるときは、
 とうさんのすぐみぎとなりのこのせきでたべるってきまってるのだろ。 」
と、言いながらダイニング・テーブルのエミリーが本来座る場所を軽く叩いたアル。
エミリー
「 … 」
アルの質問に答えずに食べ続けるエミリー。
アル
「 エミリー、こたえなさい。 」
デイジー
「 此処は自由を謳っている国よ。どの席で食べようが自由よ。
 たまにはきぶんをかえたかったのよね〜?エミリー。 」
エミリー
「 … 」
デイジー
「 ちゃっと!こたえなさいよ、エミリー! 」
アル
「 エミリー! 」
セシリー
「 二人とも怒ってきてるわよ、エミリー。答えなさい。 」
エミリー
「 フランク・ロシカとなかよしになったから。 」
アル
「 何?聞こえない。もっと大きな声で言いなさい。 」
エミリー
「 ママじゃない奴がフランク・ロシカとなかよしになったから。」
デイジー
「 フランク・ロシカってエミリーと結婚して離婚した子でしょ?
 何で娘の元夫となかよしになってんのよ!?
 やだ、信じらんない。 」
セシリー
「 エミリーはまだ、離婚の痛手から立ち直ってないのよ。 」
アル
「 何が結婚だ、何が離婚だ。たかが、" ごっこ " じゃねぇーか。 」
デイジー
「 はぁ!?
 怪獣親父が自分で ごっこの世界に飛び込む事だ。 って言ったんじゃないよ!」
アル
「 あの時はあの時。今は今。
 時間(とき)は常に流れて行く。人はその流れに逆らう事は出来ない。
 だから、認識を新たにして日々を生きるしかないんだよ。
 この真実を受け止めおまえたちの灰色の脳細胞の記憶領域に、
 新たなる認識として記録しろ〜い。 」
デイジー
「 何言ってんのよ? 」
セシリー
「 エヴァ叔母さんが言ってた、
 父さんの父さんによる父さんの為の都合のいい言い訳よ。 」
アル
「 あのなぁ、父さんは、
 今日、エミリーをむかえに行ってフランクと出会い、
 そのあとファースト・フード店でGAMERAの話で真っ赤に燃え上がったんだよ。
 こんなに嬉しい事はない。
 フランクと父さんはなぁ、
 GAMERAという共通の好きなモノで、絆が結ばれちまったんだよっ。 」
デイジー
「 エミリーの気持ちを考えなさいよ! 」
アル
「 う"っ!胸が苦しい、、、 」
突然苦しみ出し胸を押さえるアル。
セシリー
「 父さん! 」
デイジー
「 ! 」
エミリー
「 ! 」
アル
「 、、う"ぅ、、おまえたちの所為だ、、、 」
ウェイバー三姉妹
「 … 」
アル
「 、、治まった。。
 此処は自由を謳っている国で父さんはこの国の納税者だ。
 フランクと仲良しに成るのは父さんの自由だし、
 法治国家であるこの国の法を犯しているわけでもない。
 おまえたちにつべこべ言われる理由は何もない。
 ごちそうさま。 」
料理を食べ終え皿を重ね席を立ちキッチン・シンクへと置き、
蛇口をひねりそれらを水で浸し蛇口を元に戻し水を止めると、
洗面台へと移動していったアル。
そんなアルの後姿を無言で見ていたウェイバー三姉妹。
三人が三人とも、父親であるアルが遠くへ行ってしまう気がした。
ダイニング・ルームから少し離れた所にある、
洗面台の鏡に映っている食後の歯磨き中のアルの顔。
アル、その心の声 :
「 ふ〜、あの場は何とか逃げ切れたぞ。胸が苦しくなったのなんて、演技さ。
 娘たちめぇ、まんまと俺の演技に騙されおってからにぃ〜。クークックックー。
 エミー賞モノの演技ですなぁ〜。 」
アル
「 う"っ! 」
突然、血の気の無い女性の顔がフラッシュバックし、
激しい胸の苦しみに襲われたアル。
「 、、苦しい、、これは本モノのいつものやつだ、、、 」
鏡に映っていたアルの顔が徐々に下へと動き鏡から消えていった。
太い首から提げているレザー・チョーカーの先端部分にある、
銀色のカプセル型ペンダント・ヘッドを、
Tシャツの下から出しそれを握り締めながら苦痛に耐えているアル。
「 、、う"ぅ、、助けてくれ、、、 」

夜の営業中の店に昼間と同じテーブルっ座っている4人の常連客達。
「 今晩は、ケイト。 」
常連客B
「 来た! 」
ケイト
「 いらっしゃい、ビル。 」
常連客B
「 見てろよ見てろよ!お前達よーく見とけよ!
 あの男、青い巨体専用席に座るからな。 」
常連客Bの言ったとおり青い巨体=アル・ウェイバー専用席に座ったビル。
常連客A
「 あちゃー見たくなかったかも。 」
常連客C
「 この現実を受け入れろ。 」
常連客D
「 何だろう?この空虚感は。。 」
常連客C
「 それは、青い巨体なら、ツッコミ入れてイジれたが、
 あのハンサム男じゃそれが出来ないからだ。 」
常連客D
「 あの二人、隙が無いよな。 」
以前は、
青い巨体と呼ばれていたアルの専用席に座ったビルと親しげに楽しげに話しているケイト。

ザイウォン学園付属幼稚園にフランクをむかえに来て、
青いつなぎを着た大きな体を発見したクラリス。
「 は〜い、アル。 」
クラリスの呼びかけに振り向いたアル。
クラリス
「 !、 
 どうしたの!?その顔。 」
フランク
「 ハーロックみたーい。 」
アル
「 セーラームーンに変身したエミリーと、
 キューティーハニーに変身したデイジーの、
 なぐりあいそら大変!
 の仲裁に入った際に負った名誉の負傷だよ。 」
クラリス
「 はぁ!? 」
◇アルの回想◇
ビデオの音声
「 エルチーーぃっ! 」
アル
「 頑張れジロン!ジーク・ジロン!ジーク・ジロン! 」
ドタッ!バタッ!
アル
「 ん〜!?2階(うえ)が騒がしいですなぁ〜。 」
2階からの騒音に反応しビデオの再生を止めリビングから2階へと向かったアル。
エミリー
「 むーん・てぃあらー・あくしょぉぉんっ! 」
デイジー
「 ハニー・ブーメラン! 」
セシリー&デイジーの部屋で、
お互いの今一番ハマっている日本製アニメのキャラの技の名を叫び、
叩き合っているエミリーとデイジー。
デイジー
「 いたいわね!あたしはあんたのねぇさんよ! 」
エミリー
「 エミリーはいもうとだもん! 」
アル
「 やめろ!ふたりとも! 」
二人の喧嘩を止める為セシリー&デイジーの部屋に入って来たアル。
「 女同士の争いは醜いから父さんは見たくないんだよ! 」
もみ合う三人。
アル
「 痛ぇー! 」
そう絶叫し両手で顔を覆いその場にしゃがみ込んでしまったアル。
動きが止まりしゃがみ込んだアルを見ているエミリーとデイジー。
アル
「、、うぅ"、、目が指に入った、、、! 」
デイジー
「 あんたVAQA?
 “ 指が目に入った ” でしょ! 何言い間違えてんのよ!」
「 言い間違えるほど痛かったんだよ! 」
右目を瞑り左頬には痛々しい赤い引っかき傷が出来て涙を流しながら顔を上げたアル。
それを見て気持ちが引いたエミリーとデイジ−。
デイジー
「 何も泣かなくったっていいじゃない、、、 」
アル
「 泣いてんのはなぁ、痛かったからだけじゃない!
 失明したらおまえたちに迷惑かけちまうとか、
 引っかき傷が傷跡として残ったら、
 おまえたちが周りの人達から変な目で見られちまうとか、
 いろんな事が頭ん中グールグルして、勝手に涙が出てきちまってるんだよ! 」
エミリー&デイジー
「 … 」
アルに傷を負わせたのは自分たちが喧嘩した所為なのに、
それでも自分たちの事を思ってくれているアルに対して、
後悔の念で言葉が出てこないエミリーとデイジー。
セシリー
「 どうしたの? 」
何の事情も知らずにその場へとやって来たセシリー。
アル
「 あーっ!セシリー!
 そんなシャンプーの香り漂よわせた濡髪の風呂上りな格好で、
 この場に入ってくるんじゃない! 」
セシリー
「 何言ってるの?ここはあたしの部屋なんだから、いつ入ってきたってあたしの自由でしょ。
 自由を謳い法治国家であるこの国では、国民の自由が認められているのよ。
 あれ?父さん、その傷、、 」
アル
「 気付くのが遅いんだよ! 」
アル
「 、、というわけさ。
 病院へ行ったら、
 “ 目に雑菌が混入してますね。 ”って言われて眼帯された。
 石鹸で手ぇ洗って清潔に保っとけってんだよ、デイジーの奴めぇ。
 “ 頬の傷は2,3日で腫れはひきます。傷跡は残りませんよ。”って言われたけど、
 工場で、、」
◇アルの回想◇
バニラ
「 おやっさーんっ!いーじゃないのぉ!その眼帯と傷ぅ〜。
 恐〜いお顔に磨きがかかってるよぉ〜! 」
アル
「 、、なんて、年下の同僚に言われちまうし。。
 おいエミリー!とうさんのかおにこのきずをつけたのはおまえなんだからなぁ。 」
そう言われて口をとがらせたエミリー。
アル
「 なにくちとがらせてんだ!はんせいしてないな?おまえは! 」
クラリス
「 アル! 」
アル
「 あ? んん。。 」
エミリーを責めるのをクラリスに制止されたアル。
クラリス
「 そうだ! 」
そう言うと、ショルダー・バッグから手帳を取り出し何かを書き始めたクラリス。
アル
「 ? 」
クラリス
「 これ、ウチの電話番号。何かあったら電話してきて。 」
電話番号を書いた手帳のページを破ってアルに手渡したクラリス。
アル
「 あ、ありがとう。。 」
予期せぬ出来事に少し戸惑いぎみに答えたアル。
クラリス
「 今日はちょっと急いでるからこれで。 」
フランク
「 ばいば〜い! 」
アル
「 See Ya Later. 」
遠ざかっていくフランクとクラリスの後姿を見つめているアル。
エミリー
「 早く帰りたい。 」
アルの気持ちを断ち切るようにそう言ったエミリー。
アル
「 え?あっ、ああ帰ろう。 」

アル
「 うーーーん。。 」
自分の寝室のベッドの端っこに座りナイト・テーブルに置いてある電話機と、
今日クラリスから手渡された電話番号が書いてある紙を交互に見ているアル。
「 電話をかけるべきかかけざるべきか。それが問題だ。。。。
 よーし決めた! 」
アルの耳に聞こえてくるのは、電話の向こう側に居るひとを呼び出している音。
その間の時間がとても長く感じるアル。
「 、、あ!もしもし、、 」
「 タダイマ、ルスニシテイマス。 メッセージヲドウゾ。」
アル
「 え〜、ザイウォン学園付属幼稚園の父兄のアル・ウェイバーといいます。
 また、お電話します。 」
機械じかけの留守電対応に、がっかりしつつもメッセージに沿いメッセージしたアル。
それから、WOTA.tvで録画した日本製アニメと特撮モノを何本か観て、
再びクラリスへ電話をしたアル。
アルの耳に聞こえてくるのは、電話の向こう側に居るひとが話し中の音。
アル
「 くそっ、話し中かよ! 」
それからまた、WOTA.tvで録画した日本製アニメと特撮モノを何本か観て、
三度(みたび)クラリスへ電話をしたアル。
アルの耳に聞こえてくるのは、電話の向こう側に居るひとが、、
「 もしもし、、 」
電話に出た声。
アル
「 夜分遅くにすいません、ロシカさんのお宅でしょうか? 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 はい、そうです。今晩はアル。 」
アル
「 え? 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 声で判るわ。留守電も入ってたし。こっちから掛けたくても電話番号知らないから、、 」
アル
「 あ!そうだね。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 “ ザイウォン学園付属幼稚園の父兄のアル・ウェイバーといいます。 ” なんて、
 笑っちゃったわ。 」
アル
「 だって、初めて電話を掛けるお宅だし、他の家族の方が聞いた時に、、 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 家族はフランクだけ。あたし、シングル・マザーだから。 」
アル
「 え?そうだったの? 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 こないだはフランクとGAMERAの話ばかりしてたから。 」
アル
「 お互いの事、話した事ないね。。
 俺は、シングル・ファーザーだよ。子供の数は君の3倍だよ。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 エミリーちゃんとデイジーちゃんの他にも? 」
アル
「 ああ、長女のセシリーが居るよ。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 あら?みんな女の子ね。 」
アル
「 フランクも可愛いけど、
 我がウェイバー家(ウチ)の三姉妹も、俺に似ず可愛いよ。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 あら、早くも親バカ全開。 」
アル
「 自分の子供が可愛くない親が居るモノかよ。
 君だってフランクが可愛いだろう? 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 もちろん!でなきゃ、親権取ってシングル・マザーはやってないわ。
 怪我は大丈夫? 」
アル
「 眼帯が違和感あるね。工場でもウチでも柱に足の小指ぶつけて痛いのなんの。
 工場じゃ、組み立てラインで作業してるから、片目だけの状態に早く慣れないとね。
 今日は左目だけを働かせ過ぎたから、左目がねぇ凄く疲れたよ。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 ひっかき傷のほうは? 」
アル
「 入浴した時、しみて痛かった。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 そう。お大事に。 」
アル
「 ありがとう。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 実はね、今日貴方の顔を見た瞬間、
 喧嘩したのかしら?って思ったの。喧嘩っ早そうだから。 」
アル
「 君の両眼に、俺はそう見えているのか? 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 だって、初めて会った時の貴方はそれはそれはとてもとても恐かったわ。 」
アル
「 あれから何日経ってると思ってるんだ? 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 本当は、エミリーちゃん思いの、娘思いのいいお父さんよね。 」
アル
「 え?、、、親なんだから、当たり前じゃないか、、、、 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 照れた?ふふ、繊細ね。外見は、体が大きくて強面で喧嘩強そうなのに。 ふふふ、、」
アル
「 喧嘩は、弱くはないよ。弱いヤツには負けない。
 喧嘩と言えば、エミリーとデイジーだよ。
 今迄なぐりあいで喧嘩なんかした事なかったのに。。。
 男手で育ててる所為かな。。。。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 反抗期なんじゃない? 」
アル
「 “ 反抗期 ”? 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 ウチのフランクもねぇ、、 」
アル
「 何!?フランクが?奴には俺からよーく言ってきかせておくよ。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 ありがとう。ウェイバー家は二人揃って反抗期の可能性もあるわよ。 」
アル
「 二人揃って!?参ったZE。。。 」
そう言って拳の親指側を額にあてたアル。
その時、ナイト・テーブルに置いてある目覚まし時計が視界に入った。
「 いけない!もうこんな時間だ!睡眠不足は美容の大敵だ。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 アル! 」
アル
「 ん? 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 シングル・ペアレンツとしてお互い頑張りましょ。応援するわ。 」
アル
「 ありがとう。今の君の言葉は俺の秘孔を突いたよ。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 “ 秘孔 ”?何ソレ? 」
アル
「 いや、いいんだ。。。 あ!ウチの電話番号は、、」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 ちょっと待って!メモの準備するから、、、はい、どうぞ。 」
アル
「 4423−0087−006 だよ。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 4423−0087−006 ね。 」
アル
「 そうだよ。
 君の周りで何か事件が起こったら、アル・ウェイバーまで電話してくれたまえ。 」
受話器から聞こえてくるクラリスの声
「 そうさせてもらうわ。おやすみなさい。 」
アル
「 See Ya Later. 」
受話器をもとに戻したアル。
「 お互い頑張りましょ。応援するわ。 」
耳元に聞こえたクラリスの言葉が心にこだまして表情が緩み笑顔になるアル。
「 女に喜ばせてもらうと、嬉しい。 」

つづく

「 A I の地平に覚醒(めざ)めるか?A L 」


□ エンド・ロール □

STARRING

アル・ウェイバー( バズ・マイヤー ) : 富田耕生

セシリー・ウェイバー( エレナ・スコットフィールド ) : 坂本真綾

デイジー・ウェイバー( マイア・トンプソン ) : 大谷育江

エミリー・ウェイバー( ウェンディー・スウィックス ) : 矢島晶子

フランク・ロシカ( ジョン・アストレイ ) : 小桜エツ子

クラリス・ロシカ( スージー・アイランドブック ) : 島本須美

ケイト・リプリー( ジェイン・ウィープ ) : 戸田恵子

GUESTS

バニラ( HIMSELF ) : 千葉繁

常連客A : 茶風林

常連客B : 内海賢二

常連客C : 石塚運昇

常連客D : 屋良有作


posted by 仮面ヒッシャー電脳< 俺、創造! 〕 at 19:40| Comment(0) | TrackBack(0) | 第2シリーズ MYD:U −血と肉と汗と涙と−  全13話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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