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2008年02月05日

Ep#02 「 ビジター、来宅  HERE EVA COMES 」

カメラはアルの左肩越しに左耳側から右耳側へ斜め下へ向かい走っている、
毛髪が生えてこない場所、手術時の接合部分、
 傷 跡
映り込みで、その後頭部と ‘ この街 ’ の青空を撮らえ、映し出している。
アル
「 空( そら )か。 」
‘ この街 ’ に購入した自分の家の屋根に登り、その青空を仰ぎ見ているアル。
「 宙( そら )に舞い、宇宙( そら )に飛翔( はばた )く。 」
そう言い残し身を投げたアル。

Ep#02 「 ビジター、来宅  HERE EVA COMES 」

TVの音声
「 月に代わって、おっ仕置きよ! 」
エミリー
「 おっ仕置きよ! 」
TVの画面に映っているセーラームーンの決め台詞と決めポーズを一緒になってキメているエミリー。
TVの音声
「 ムーン・ティアラー・アクション! 」
エミリー
「 ムーン・ティアラー・アクション! 」
次の瞬間、リビングの外で予期せぬ音が!
エミリー
「 わーい!ムーン・ティアラー・アクションがキマったー! 」
セシリー
「 何!? 」
慌ててリビングの窓を開けるセシリー。
窓の外には、
宙( そら )高く舞い上がった水柱に、太陽光が照り虹が出来ていた。
デイジー
「 隕石だわ!プールに隕石が落ちてきたのよ! 」
リビングの外にあるプールを凝視するウェイバー三姉妹。
「 ぷっはーっ。 」
プールの水面に顔を出したアル。
デイジー
「 な〜んだ、落ちてきたのは怪獣か。」
アル
「 スペース・コロニーが堕ちてきたと思ったかぁ〜、それともぉ〜、
 哀で宇宙( そら )が堕ちてきたと思ったかぁ〜、えぇ、デイジー。 」
セシリー
「 父さん一体何処から? 」
アルは、プールの水面から人差し指一本を立てた太い右腕を高々と差し出し、
顔はゆっくりと上を見上げ、
「 父さんが購入したこの家の屋根からだ。そ〜らだって飛べるさぁ。 」
と、答えた。
セシリー
「 それは落下でしょ。 」
アル
「 まぁ、そう言わずにおまえたちも来いよ。 」
デイジー
「 プールに入るにはまだ早いわよ。 」
セシリー
「 知ってる?北の海に生息する海獣は水の冷たさに耐えうるべく、脂肪が厚いの。 」
デイジー
「 我がウェイバー家(ウチ)の怪獣も脂肪が厚くて太ってるから、
 シーズン前のプールの水の冷たさに耐えられるのね。」
アル
「 オッオーッ、
 違う断じて違う、デイジー、お前は間違っている。
 父さんは脂肪が厚くて太っているのではない。
 体が大きいうえに筋肉が太くて筋肉の量が多くて肉厚だからこの体型に成っているのだよ!
 ま、そんな言い草もこのプールに免じて許してやる。
 水着に着替えて父さんと一緒に入ろうぜ〜!
 、、ん!、
 いかーんっ!水着になど成ってはいかーんっ!
 誰がどっから盗撮しているか判らんからなぁ。しまった!
 屋根や囲いを作って室内プールにすればよかったぁ。
 あー!、そうしたら屋根から飛び込めない。うぅ、どうしたらいいんだー! 」
プールの中で独り頭を抱え悩むアル。
そんなアルに呆れゆっくりと窓ガラスを閉めたセシリー。

椅子型浮輪に身を任せるも、
体の重さで半分は沈み辛うじて浮いてプールの水面を漂っているアル。
アルのモノローグ :
「 青空とお日様の下で水面(みなも)を漂っていると、  
 自分が自然の一部だという事を実感する。
 まぁ、こんな人口の海であるプールよりは、
 天然の海の水面(みなも)を漂った方が自然とのシンクロ率は上がるが。
 そしてこうやってお日様に顔を向けて目蓋を閉じると、
 普通は真っ暗な目蓋の裏側がピンク色に見える。
 これは、俺の体の中を真っ赤に流れる俺の血潮だ。生きてる事を実感する。
 生きる事は食べる事 食べる事は生きる事
 なら、このシーンでこのシチュエーションで食べるしかないじゃないか!」
そう言うと椅子型浮き輪の右手側肘掛のポケットから、
金色(こんじき)に輝くスプーンを取り出しシャキーンッと頭上高く上げて一回転させ、
次いで、左手側肘掛のポケットから大好物のマンゴープリンを取り出したアル。
アル
「 〜♪The time to come welcome
 and I will go to ZOーーNE♪
 お互いのATフィールドを取り払い今、一つに成ろう、アグネス社製マンゴープリンちゃん。
 私を導いてくれ! パクっとな。う・ま・い・ぞ・ー!」
次の瞬間、眉間から、
 /\/ピキピキーッ/\/\/
 と、青い稲妻のようなモノが走り、ZOーーNEへとトんでしまったアル。
@ZOーーNE
「 〜♪フラ〜イ・ミー・トゥ・ザ・ム〜ン♪
 ペコポンの重力に魂を引かれたこの俺を
 無限に広がる大宇宙(ヲヲゾラ)へと導いてくれる
 金色(こんじき)に輝くアグネス社製$3倍マンゴープリンちゃん、、、
 ALi?いつもなら宇宙へ来るのに、見た事がない景色だ。
 此処は何処だ?」
その時、
蜻蛉(とんぼ)の羽根のような翼を羽ばたかせた、
30cm程の女性の形をしたイキモノが、
アルの目の前をかすめた。
「 妖精(フェラリオ)さん? 」
そのイキモノはそう呟いたアルの左肩に止まり耳元で、
「 此処は海と陸の間にある世界。 」
と、言いそして歌い始めた。
「 〜♪見つめてごらんよ 貴方の中の 月の裏側を♪ 」
アル
「 俺の月の裏側? 」
次の瞬間、ZOーーNEから現実世界へと帰還したアルの魂。
ピンポーン
すかさず、アルが購入した家に主を呼ぶ音が鳴る。
ピンポンピンポンピンポーン
アルが購入した家に訪れしモノの連打による主を呼ぶ烈音が響く。
アル
「 うるせ〜なっ!」
来客があった際は、
防犯の為この家で唯一の大人であるアルが対応する事となっているのである。
OKITENOTEにもそう書いてあるのデス。

プールから出て濡れた体のまま呆れ顔で玄関の扉を開けたアル。
ダイニングにあるモニター付きインターホンで来宅者が誰であるかは既に確認済みだ。
そのモノ赤き衣を纏(まと)いて首よりクロスのペンダントを下げ、
アルが購入した家の玄関前に降り立つ。
「 喜べぇ〜兄貴ぃ〜、ハロ、ゲンキ〜? 」
アルのモノローグ
「 今、俺の目の前に居るこの女は、俺と同じ親父とおふくろからD.N.A.を受け継いだ、
 この世界でたった一人の妹・エヴァ・ヤマディラだ。 」
エヴァ
「 ウチに居ても出番無いから、
 可愛い息子たちを連れてハルバルこうして来てあげたわよ。
 コウが日本へ出張中のこの連休中は世話になるわぁ〜。宜しくぅ〜。」
ジョージ
「 ハ〜イ!かいじゅうおじさん! 」
アル
「 よぉ〜、ジョージぃ〜。 」
ハイ・タッチをするジョージとアル。
アルのモノローグ
「 今、俺とハイ・タッチをしたこの男の子はエヴァの次男、俺の2nd甥っ子である、
 ジョージ・ヤマディラ、4歳だ。」
ディラン
「 ハ〜イ!怪獣伯父さん! 」
アル
「 よぉ〜、ディラン〜。 」
ハイ・タッチをするディランとアル。
アルのモノローグ
「 今、俺とハイ・タッチをしたこの男の子は、エヴァの長男、俺の1st甥っ子である、
 ディラン・ヤマディラ、7歳だ。」
アル
「 よく来たな、ヤマディラ’s BOYS。」
ジョージ&ディラン
「 は〜ぁ‥、僕達は、ヤマディラじゃなくて、
 ヤマデラだよ、ヤ・マ・デ・ラ。 」
アル
「 解ってら〜いそんな事ぉ、発音出来ねぇ〜んだよぉ〜。」
ジョージ&ディラン
「 は〜ぁ‥‥ 」
エヴァ
「 ところで兄さんその格好は何? 」
アル
「 おぉ、これか、
 水も滴るいい男アル・ウェイバー水着姿でサービスサービスぅーっ。だ。
 KAIYODOさんフィギュア出しませんか? 」
エヴァ
「 誰に向かってのサービスサービスぅーっなのよ! 」
アル
「 おまえこそ、二人の子持ちで30歳過ぎてるのに、
 その赤い色のジャケットと黒い色のミニ・スカートはなかろう。
 それは、誰に向かってのサービスサービスぅーっなんだ? 」
ジョージ&ディラン
「 おえっ… 」
アル
「 おえっ って何だぁ! 」
ジョージ&ディラン
「 何だかんだと聞かれたら答えてあげるが世の情け。
 説明しよー!
 おえっ とは、気持ち悪いモノを見た時に発する言葉である。 」
アル
「 気持ち悪いだとー!この俺のビルドアップされたカラダが気持ち悪いだとー! 」
そう言うと両の拳を合わせ、
「 ふーん!」
と、ポージングし筋肉を隆起させ、己の体を誇示したアル。
エヴァ
「 そんな事より早く家に入れてよ! 」
そう言われポージングを解き、
「 …そうだな、
 ようこそИ∃ЯVシヱ。」
と、エヴァ母子(おやこ)を家へと招き入れたアル。

エヴァ
「 よ〜、セシリー、デイジー、エミリー。 」
セシリー、デイジー&エミリー
「 エヴァ叔母さん! 」
リビングでセシリー、デイジー、エミリーとそれぞれハグをするエヴァ。
ジョージ&ディラン
「 よっ!ウェイバー三姉妹。 」
ウェイバー三姉妹
「 よっ!ヤマデラ’s BOYS。 」
お互いに軽く手を上げ挨拶をするウェイバー三姉妹とヤマデラ’s BOYS。
ジョージ
「 あ!ぷーるだ! 」
リビングの窓の外にプールがあるのを発見し走り出したジョージ。
ジョージに続くディランとエヴァ。
リビングから芝生が植え込んである庭に出て、
プールをしげしげと見ているジョージとディランそしてエヴァ。
ディラン
「 この前来た時には無かったのに。 」
アルが、プールを出ても体をタオルで拭かないまま、
リビングを経由して玄関迄歩いたため床はビチョビチョになっていた。
それをモップがけし終えてプールにやって来たアルが答えた。
「 俺が‘ この街 ’で家を購入するために、
 その壱 : バスタブがデカい、バス・ルームが広い、庭が広い、プール付き。
 その弐 : バスタブがデカい、バス・ルームが広い、庭が広い、プール無し。
 以上二択だったわけだが、
 $予算の都合上その弐を選択せざるを得なかった。だが・しかしー、
 天下一腕闘大会に出場し、
 その$優勝賞金のごくごくわずか一部を遣い、
 業者にプールを作らせ、昨日完成したってわけさ。 」
ディラン
「 海パン持って来ればよかったぁ。 」
アル
「 ディラン、フル・モンティで入ってもいいぞ。だが・しかしー、
 プ−ルに入る前にシャワーを浴びて身を清めろ。 」
ジョージ
「 “ ふるもんてぃー ” ってどんなおちゃ?ふるれもんてぃーじゃないの? 」
ディラン
「 お茶( TEA )じゃねーよ、
 F・U・L・L M・O・N・T・Y フルチンの事だよ。
 T・E・Aじゃなく、T・Yだよ。」
ジョージ
「 じゃぁ、“ ふる・ちんてぃー“ がいいよ!」
エヴァ
「 そんな事教えなくていいのよ!ディラン! 」
アル
「 そう言うなエヴァ。いずれ覚えなくてはならない事だ。
 今が、まさにその時だった。ただそれだけの事だ。
  “ フル・チンティ ” か。
 どうやら、新しい言葉をこの世界に生み出す能力は、
 我がウェイバー一族のお家芸のようだな。」
エヴァ
「 “ 怪獣父さん ” が、デイジーが創った
 “ Dady ”+“ Dinosaur ”=“ Dadynosaur ”
 って事とか?」
アル
「 おまえ知ってたのか?」
エヴァ
「 随分前にデイジーから聞いたわよ。」
アル
「 そう、、か。。。 」
エヴァ
「 あれ?知らなかったの?プププ。」
アル
「 今、おまえに言われて知ったわけじゃないぞ。何ヶ月か前に知ったさ。。。
 知らなかった事を笑うな! 」

ディラン
「 バック・ドロップぅぅぅ〜。 」
と、言う名のプロレスの投げ技をアルにをかけ、
その名を叫びながらプール・サイドからプールへとアルと共に落ちていったディラン。
水の上に上半身を出したディランとアル。
アル
「 おい!ディラン、バック・ドロップはなぁ、ヘソで投げるんだよ!ヘソでぇ!
 今の投げは出来てなかったぞ!」
ジョージ
「 えーいっ! 」
アルの背後からアルにチョーク・スリーパーと言う名のプロレスの技をかけたジョージ。
アル
「 苦”、、苦しい、、チョーク入ってる、、 」
リビングの窓際からプールで楽しくはしゃぐ男三人を見ていたエヴァが、
「 ジョージ、ディラン、下着パンツのままプール入ってぇ!
 それにねぇ、プールに入るにはまだ時期が早いんだから風邪ひくわよ! 」
と、声をかけた。すると、
「 このプールの水、あったかいから大丈夫だよ! 」
と、答えたディラン。
エヴァ
「 え? 」
アル
「 このプールはなぁ、水温調節機能を搭載してるんだよぉ〜。
 GO T2O GO ISM と笑いたけREVA笑うがいいさっ! 」
エヴァ
「 あ、そ。 」
そんなアルに呆れゆっくりと窓ガラスを閉めたエヴァ。
「 まったく男って奴は…。それに比べて女の子は、、 」
ソファーに座りエヴァを見ているウェイバー三姉妹を見るエヴァ。
「 あたしは、女の子が、娘が欲しかったのよねぇ。」
プールでヤマデラ’s BOYSと戯れているアル。
「 やっぱり、男の子はいいですなぁ〜。」

@リビング
@プール
エヴァ
アル
「 ねぇ、ウェイバー三姉妹、
「 なぁ、ヤマディラ’s BOYS、
あたしの娘に成らない?」
俺の息子に成らないか? 」

ウェイバー三姉妹「 またそんな事言って! 」ヤマデラ’s BOYS

エヴァ「 しまった!
この子たちの説教モードに入る起動キーワードを
言ってしまった! 」アル

リビングにて、プールにて、
 “ 娘に成らない? ”
 “ 息子に成らないか? ”
の禁句を言ったが為に、
ウェイバー三姉妹にヤマデラ’s BOYSにそれぞれ説教されているエヴァとアル。

今、目の前にあるエヴァがこの世界に作りし料理が並ぶ食卓。
「 いただきます!」
ウェイバー一家とヤマデラ一家全員で、食べる前の言葉を発し各々それぞれ食が進む。
エヴァ
「 喜べ兄貴ぃ〜、母さん直伝の味だぞぉ〜。」
アル
「 パクっとな、もぐもぐ、ごっくん。YAMMY!おいしい!
 まさしく!母さんの味ですなぁ〜。」
エミリー
「 かあさん って、エミリーのママのこと? 」
エヴァ
「 ざんねん、いま、はなしてるのはねぇ、あたしとエミリーのママじゃない奴のおかあさん、
 エミリーのおばあちゃんの事よ。」
デイジー
「 お姉ちゃんが作る料理とあまり変わらない味な気がする。」
エヴァ
「 それはねぇ、
 怪獣兄貴が自分の母親即ち、
 セシリー、デイジー、エミリー、
 あなたたちのお祖母ちゃんが作る料理と、 
 似た味の料理を作る女性(ひと)と結婚したからよ。
 それが、あなたたちのお母さん。」
ウェイバー三姉妹
「 … 」
エヴァ
「 セシリーは、お母さんに料理を習ったのよね?」
セシリー
「 うん。」
エヴァ
「 怪獣兄貴はねぇ、
 あなたたちのお祖母ちゃんが作る料理と似てる味の料理を作る女性(ひと)にホレちゃうの。
 マザコンだから。
 だから、あなたたちのお母さんと結婚したのよ。」
ウェイバー三姉妹
「 … 」
アル
「 違う、断じて違う!エヴァおまえは間違っている!
 俺は、マザコンなのでは決してない!」
エミリー
「 “ まざこん ” ってなに? 」
エヴァ
「 マザコンってのはねぇ、お母さんの事が大好き って事よ。」
エミリー
「 ママじゃない奴、まざこんまざこん! 」
アル
「 そんな事教えなくていいんだよ!エヴァ!おまえはぁ〜! 」
エヴァ
「 そう言わないの兄さん。いずれ覚えなくてはならない事だったのよ。
 今が、まさにその時だった。ただそれだけの事よ。」
アル
「 エミリー、とうさんのことをまざこんとよぶんじゃない!
 ママじゃない奴とよぶんじゃない!
 おい、エヴァ!人のアイデンティティーを、、 」
ジョージ
「 “ あいでんてぃてぃー ” ってどんなおちゃ? 」
アル
「 おちゃじゃねーよ!ジョージおれがしゃべってんだ!じゃまするな!
 エヴァ!人のアイデンティティーを構成するモノの一つに、
 食(しょく)があるんだよ。
 俺は母さんがこの世界に作り出す料理を食べてアイデンティティーを構築した。
 そんな俺がだ、
 母さんの料理に似た味の料理をこの世界に作り出す女性(ひと)にホレたって何の不思議も無いし、
 それはマザコンではなく、アイデンティティーなんだよ!
 アイデンティティー!
 解ったかこのヤロー。」
エヴァ
「 そんなの兄さんの兄さんによる兄さんのための都合のいい言い訳よ。」
アル
「 なんだとこのヤロー!
 俺が ‘ この街 ’に購入したこの家に来てその言い草はなんだー!」
セシリー
「 やめてよ二人とも!」
ジョージ&ディラン
「 ごちそうさま。」
食事を終え食卓からリビングへと移動するジョージとディラン。
「 おい、ヤマディラ’s BOYS、食事が済んだら歯磨きをしろ!」
食卓からリビングのTVの前に移動したジョージとディランにそう言ったアル。
ジョージ
「 ゲームないの?」
TVの前からアルにこう言い返すジョージ。
アル
「 ゲームならまえのクリスマスにプレゼントしたろ!」
ディラン
「 違うよ!TVに繋げるヤツだよ。」
アル
「 おいディラン、我がウェイバー家(ウチ)はなぁ、
 エミリーは、おえかき、
 セシリーは、読書、
 デイジーは、くっだらないバラエティー番組を観て$電気代を無駄遣いして、
 我がウェイバー家(ウチ)の家計にプレッシャーを与え、
 ペコポン(地球)温暖化に手を貸すという愚かな行為をし、
 そして俺は、WOTA.tvで録画した、日本製アニメと特撮モノを観るから、
 TVに繋ぐゲームなどなくても困らないのだよ。」
ディラン
「 いや、困ると思うよ。
 アノTVに繋ぐゲーム機があれば、
 伯父さんが大好きな、
 『 ドラゴンボールZ 』や『 ガンダム 』のソフトをプレイ出来るのに。あ〜あ。。。」
アル
「 何ぃ!それは本当か!」
そう言うと食卓を立ちディランのもとへと走ったアル。
セシリー
「 ちょっと父さん!まだ食事中でしょ!」
ディラン
「 本当だよ!」
アル
「 そうか。なら!買うしかないじゃないか!」
ジョージ&ディラン
「 怪獣伯父さん、太っ腹〜!」
アル
「 まっかせなさ〜い!」
自慢の大きな腹を右手で叩き次いで右腕でガッツ・ポーズをとったアル。
リビングでのジョージとディランとアルのやり取りを見ていたエヴァ。
「 あ〜あ、兄さんったら、ディランの口車にまんまと乗せられちゃって。。。」
エヴァがふとウェイバー三姉妹に目をやると、
ジョージとディランと楽しくはしゃぐアルの姿を寂しい目で見つめていた。
エヴァ
「 …。」

パジャマに着替えたジョージとディランが、
アルの寝室に誇らしげに飾ってあるフィギュアとプラモデルをしげしげと見つめている。
ディラン
「 前に来た時より増えてる。。」
ジョージ
「 ぼく、この赤いの〜。」
ディラン
「 じゃ、俺この白い奴。」
そう言うとジョージとディランは棚からそれぞれ、
“ 赤いの ” と “ 白い奴 ”を取りおもちゃの飛行機で遊ぶかのごとくに遊び始めた。
ジョージ
「 キーン!」
ディラン
「 待て待て〜。」
“ 赤いの ”を持ったジョージを“ 白い奴 ”を持ったディランが追いかける。
そんなふたりの姿をベッドでくつろぎながら嬉しそうに笑顔で見ているアル。
ジョージ
「 いっくぞー!」
ディラン
「 来い!」
お互いが手に持っている“ 赤いの ” と “ 白い奴 ”を、ぶつけ合わせたジョージとディラン。次の瞬間、
“ 赤いの ” と “ 白い奴 ”は砕け、
その欠片が万有引力の法則に従い地球の重力に引かれて床へと堕ちて逝った。
アル
「 !!! 」
今、目の前で起きた惨劇の決定的瞬間をアルの両眼が目撃した。
それまで笑顔だったアルの表情(かお)は、
まるでスローモーションのようにゆっくりとまるでモーフィングなごとくに、
両眼を大きく見開き、口も大きく開かれ驚愕の表情(かお)へと変わった。
「 ファーーーーっ!」
そのアルのヲ叫びが大宇宙(ヲヲゾラ)を焦がした!
ベッドから飛び降り惨劇の現場へと急行したアルは開口一番、
「 何て事しでかしちまってくれたんだぁ"ぁ"ぁ"っ!!!おまえたちはぁ"ぁ"ぁ"っ!!」
ジョージ&ディラン
「 ごめんなさい。。。」
「 あぁ、、、赤い角が、、白いアンテナが、、
 時間かけて作ったのに、、、 
 それをおまえたちはいとも簡単に壊してくれやがって、、ううう、、、」
左手で欠けた赤い角を、右手で欠けた白いアンテナを、
床から拾い上げそうな嘆いたアル。
ディラン
「 また同じの買ヱヴァ、いいと思うよ。」
アル
「 これはなぁ、
 自由を謳っている此処アの国のTOYSЯUSでは買えない
 日出づる国でしか買う事が出来ない、
 ガンプラなんだよ、バンダイのプラモデルなんだよ。
 それなのに、ううう、、、」
ディラン
「 なにも泣かなくったっていーじゃん。。」
ジョージ
「 いま、おとうさん、にほんにしゅっちょうちゅうだよ。」
ディラン
「 そうだよ!
 いつもみたいにウチのお父さんに日本で買って来てもらヱヴァ、いーじゃん!」
アル
「 そうか!そんないい事に気付くなんて、スゲーじゃん!」

セシリー&デイジーの部屋では、
姿見の前に置いた椅子に座ったセシリ−が、エヴァに髪の手入れをしてもらっている。
既に手入れをしてもらったエミリーはデイジーのベッドの上で、
その光景をお絵描きしている。
そのすぐ隣ではこれまた手入れをしてもらったデイジーが、
エミリーのお絵描き作業を見たり、
手入れをしてもらっているセシリーを、手入れをしているエヴァを、見たりしている。
エヴァ
「 ホントにきれいな髪をしてるわね、セシリーは。
 自分の娘の髪をブラシで梳(と)かして手入れするのがあたしの夢だったのよねぇ。
 ここちへ来ればその夢を疑似体験出来る。
 至福の時だわぁ〜。」
デイジー
「 今からでも遅くないんじゃない?」
エヴァ
「 え?そ、そうね。それより、姿見で髪の手入れなんて!
 怪獣親父にドレッサー買ってもらいなさいよ。女の子には必需品よ。」
ドンドン!
「 エヴァー!」
ドアのノック音に続きエヴァを呼ぶアルの声がセシリー&デイジーの部屋に聞こえてきた。
エヴァ
「 もう!兄貴ったら、あたしの至福の時を邪魔しないでよね!」
「 何よ。」
部屋から出てきたエヴァ。
アル
「 あのさぁあのさぁ、日出る国に行ってるコウに連絡とってもらえないかなぁ。
 ちょいと用があってさぁ。」
エヴァ
「 …明日でいいでしょう?」
アル
「 ああ、構わんよ。」
エヴァ
「 そんな事より!」
そう言うとアルの太い腕を掴み階段を下り2階から1階へと移動したエヴァ。
アル
「 何だよ?」
エヴァ
「 兄さん、ジョージとディランとはしゃぎ過ぎよ。」
アル
「 しょうがないだろう!楽しいんだから。」
エヴァ
「 セシリーもデイジ−もエミリーも、三人とも寂しそうにしてるわよ。」
アル
「 だったら俺が‘ この街 ’に購入したこの家に来るな!
 貯めたマイルの有効期限が近づいたから慌てて航空券に換えて、
 それでやって来たのを、俺の灰色の脳細胞はマルッとお見通しなんだよ!」
エヴァ
「 それは正解(あ)ってるけど、、」
アル
「 大体おまえはなぁー! う"っ!」
突然、血の気の無い女性の顔がフラッシュバックし、
激しい頭痛に襲われるアル。
エヴァ
「 兄さん大丈夫?」
アル
「 、、おまえの所為だ、、、」
エヴァ
「 まだドクターに診てもらってないの?以前(まえ)から言ってるでしょ!」
アル
「 、、すぐに治まっちまうんだ、、診てもらうほどの事じゃねぇ、、、」
エヴァ
「 ……。」
アル
「 、、はぁ、、みろ、もう治まっちまった。もう寝ろ、睡眠不足は美容に悪いぞ。」
そう言い残しエヴァに背を向け自分の寝室へと向かうアル。
そんなアルの大きな背中を見ているエヴァ。
エヴァ
「 ……。」

‘ この街 ’唯一の超巨大ショッピング・モールであるHILOTHGHIショッピング・モール。
その中の幾多もの飲食店が並ぶフード・エリアのとある飲食店の前にケイトは立って居た。
ふと、噴水広場に顔を向けると、
買い物袋を持ち、
二人の男の子と一人の女性と歩くある太った男の姿が目に飛び込んできた。
「 アル?」
アルがふと前方を見ると、10m程先にこちらを見ているケイトの姿があった。
「 ケイト、、」
しばらく見つめ合うケイトとアル。
「 お待たせ!さ、行こうか。」
「 …え? ええ。」
店から出たきた男と二人で歩き始めたケイト。
アル
「 …… 」
二人の遠退く姿を無言で見ているアル。
エヴァ
「 知り合いなの?」
アル
「 え?、、い、いや、、」
エヴァ
「 ふっふ〜ん。」
口ごもるアルに何かを察したかのように不敵な笑みを浮かべたエヴァ。
エヴァ
「 母さんはウェイバー三姉妹と合流するから、ジョージ、ディラン此処で待っててね。」
ジョージ&ディラン
「おっけー!」
エヴァ
「 じゃ、兄さん宜しく。」
アル
「 ああ、、」
力無くエヴァに答えるアル。

今、目の前にあるエヴァがこの世界に作りし料理が並ぶ食卓。
エヴァ
「 喜べ兄貴ぃ〜、今夜はコウのお母さん直伝の日本の味だぞぉ〜。
 セシリーとデイジーがお手伝いしてくれました、ありがとう!」
そう言われ笑顔のセシリーとデイジー。
エヴァ
「 そしてエミリーは、りょうりをするさんにんのすがたをすけっちぶっくに、
 おえかきしてくれました。ありがとう!」
エミリー
「 えへ。」
アル
「 では皆様、ヲ声を合わせて、、」
「 いただきます!」
ウェイバー一家とヤマデラ一家全員で、食べる前の言葉を発し各々それぞれ食べ始めた。
アル
「 パクっとな、もぐもぐ、ごっくん。YAMMY!おいしい!
 いやぁ、
 盛り付け迄に気を遣い食べる前から目で楽しませてくれる、日出づる国の食文化と
 ヲタ文化は世界一ですなぁ〜!
 日出づる国の料理人を母に持つコウと結婚し、その母の下で料理の修業をした、
 我が妹・エヴァ、俺はおまえを誇りに思うぞ。」
エヴァ
「 兄さん、
 貴方はこんなにも美味しい料理をこの世界に作り出す事の出来る妹を持った事を、
 誇りに思っていいわ。」
エヴァが、アルちに作り出した日本料理を食べたモノ達がその終わりを告げる。
「 ごちそうさまでした!」

食後の歯磨きを終えた、ジョージとディランとアルが
TVの前で床に座りアノTVに繋げるゲーム機で遊んでいる。
その様子をダイニング・テーブルから見ているウェイバー三姉妹とエヴァ。
[ 1P WIN ! ]そうTVの画面と音声で、
1P側でPlaySiteitaディランの勝利が告げられた。
ディラン
「 yataaaaa!またkataaaaa!連勝連勝。勝ち過ぎてもう飽きた。」
ジョージ
「 じゃぁ、ぼくがまたやるよ!」
アル
「 くっそー!」
ディラン
「 伯父さん弱い弱いよ!僕達にぜーんぜん勝てないじゃん。」
ジョージ
「よわーいよわーい!」
アル
「 おいおまえたち!」
突然立ち上がったアル。
「 俺はこんなの生まれて初めてやるんだよ!
 日頃遊び慣れてるおまえたちに早々勝てる筈ないだろぉぉ!
 俺が買ったんだから俺が勝ったっていいだろぉよぉ!少しは気ぃ遣えってんだよぉぉ!
 大体なぁ、おまえたちがこんなモノ欲しがらなきゃ、
 今日あそこでケイトに目撃される事も誤解される事も無かったんだよ!
 俺はケイトに男手一つで三人の娘を育ててるって言ってたんだよ!
 今日のあのシチュエーションじゃ俺はぁ、女房持ちの二人の男の子の父親じゃねぇか!
 絶対に誤解されたじゃねぇか、コノヤロぉ"ぉ"ぉ"ぉ"!!!!」
デイジー
「 ケイト!? 」
ジョージ
「 うえーーーーっんっ!」
キレたアルに泣き出してダイニング・テーブルに座るエヴァの許へと走ったジョージ。
座ったまま口を尖らせ怒っているディラン。
エヴァ
「 ちょっと兄貴っ!あたしの可愛いジョージを泣かせてんじゃないわよ!。」
エヴァもダイニング・テーブルの椅子から立ち上がり臨戦態勢に入った。
エヴァ
「 そのケイトって女性(ひと)に見られた事なんて偶然じゃない偶然。
 あたしの息子たちが悪いワケじゃ全然ないじゃない!
 〔 買う >って言ったのは兄さんでしょ!
 むしろ兄さんの日頃の悪い行いの賜物なんじゃないのぉ"ぉ"!」
アル
「 俺は‘ この街 ’に来てからは悪い行いなど何一つたりとてしちゃぁいねぇっ!
 三人の娘たちのためにぶんばってんだっ!」
ダイニングとリビング間(かん)で繰り広げられるエヴァvsアルの言葉バトリング。
エヴァ
「 兄さんあの女性(ひと)に気が有ったみたいだけど、無理よ無理!
 一緒に居た男見たでしょ!スマートでイケメンで髪の毛だってあって。
 兄さんなんかそんなのから最も遠い所に居るじゃない!鏡見た事あるぅ?
 あーゆーのが好みなのよ、彼女は。
 兄さんなんか脈無しよ、みゃ・く・な・し・っ!」
アル
「 ぐぅぅ、、、」
バンッ!
「 父さんあたしたちには
  〔 好きな人が出来たら言え >
 なんて言っておきながら自分は何よ!」
ダイニング・テーブルを叩いて立ち上がったデイジーがそうアルに口撃した。
「 うぅぅぅ、、、、」
受け止めたくない現実を、エヴァに、デイジ−に、叩き付けられ、
二人をぶん殴りたい気持ちと怒りに駆られる衝動を、
右の拳を強く握り締め右腕を震わせながら抑え、
胸の奥から込み上げてくるモノに涙腺を刺激されながらも必死にそれに耐えるアル。
「 、、、おまえたちに、俺の気持ちが解るモノかよ、、、、」
ケイトとの思い出の数々が頭の中を駆け巡り両目にみるみるうちに涙が溜まっていくアル。
「 最後の恋だったんだぞ!」
そうぶち撒けたアルの両目からついに、
涙が溢れ出た。
涙を見られたくないのと何処に気持ちをぶつけていいのか判らずに、
家の中に居る全てのモノに背を向け、ガラスが割れるかのごとくな勢いで窓ガラスを開け、
リビングから庭へ出てプールへと向かいながら、
着ていたTシャツを脱ぎ捨て、スウェットを脱ぎ捨て、トランクスを脱ぎ捨て、
そしてプールへと飛び込み、泳ぎ始めたアル。
そのアルの行動を家の中に居る全てのモノが無言で見つめている。
プールの端迄泳ぎ着きプール・サイドに顔をうな垂れ、
大粒の涙を大量に流しながら両肩を大きく震わせ泣いているアル。
「 これが、俺の最後の恋の終わり方なのか?うぅぅ、、、」
家の中に居る全てのモノの目に、
いつもは大きく見えるアルの背中が小さく見えた。
プルルルル プルルルル
アルが購入した家に主を呼ぶ電話の着信音が鳴る。
電話の着信があった際は、
防犯の為この家で唯一の大人であるアルが対応する事となっているのである。
OKITENOTEにもそう書いてあるのデス。
「 タダイマ、ルスニシテイマス。
 ピーッオンノアトニ、メッセージヲドウゾ。
 ピーッ!
「 コウです。義兄さん居ますか?」
機会じかけのアルちの留守電のメッセージに沿いメッセージしたのは、
故郷である日本へ出張中のエヴァの夫 : コウ・ヤマデラだった。
「 わ〜い、パパだぁ〜。」
その声に反応してダイニングからリビングにある電話機へ向け走るジョージ。
「 ちょっと、ジョージ!」
エヴァの制止の甲斐もなく受話器をとったジョージ。

<<< 通話 >>>

ジョージ
「 パパ!」
コウ
「 ジョージ?」

ジョージ
「 うん、ぼくだよ。」
コウ
「 げんきかい?」

ジョージ
「 うん、ぼくげんき。」
コウ
「 ママはいるかな?」

ジョージ
「 うん、いるよ。ちょっとまってて。」
ジョージ
「 はい、ママ。」
ダイニングに居るエヴァに向けて受話器を差し出すジョージ。
エヴァ
「 …。」
ジョージ
「 パパだよ。」
観念したかのごとくダイニングからリビングへ移動し、
ジョージから受話器を受け取ったエヴァ。

<<< 通話 >>>

エヴァ
「 、、もしもし。」
コウ
「 エヴァ?」

エヴァ
「 そうだけど。声で判らない?」
コウ
「 判るよ。家にかけても誰も出なかったから、、、」

エヴァ
「 …。」
コウ
「 御免。僕が悪かったよ。」

エヴァ
「 謝ったって、、」
エヴァの手から受話器を奪い取るアル。
エヴァ
「 ちょっと兄さん!」
エヴァが受話器を奪い返そうとするが上手くディフェンスしコウと話し始めるアル。

<<< 通話 >>>

アル
「 コウか?俺だ、アルだ。」
コウ
「 義兄さん?」

アル
「 お願いがあるんだけど。」
コウ
「 え?」

アル
「 MGシャア専用ザクとMGガンダムとを買ってきてくれないか?」 
コウ
「 え? いいですよ。わかりました。」

アル
「 わ〜い!ありがとう!
 やっぱりも持つべきモノは、
 日出づる国を故郷に持つ在米日本人でありますなぁ〜。
 こんなに義兄思いな義弟なのに妹がこんなんですまないなぁ、コウ。」
コウ
「 エヴァは僕の妻です。そんな言い方しないで下さい。
エヴァは僕の誇りです。」

エヴァ
「 なら、早く帰って来てよ。」
コウ
「 エヴァ?いつの間に電話口に?あした帰るから。」

エヴァ
「 料理作って待ってる。」
コウ
「 頼むよ。」

アル
「 お〜いコウ!」
コウ
「 え?今は義兄さんが電話口に?」

アル
「 そうだ。
 シャア専用モビル・スーツの色は赤です。ガンダムの色は白です。
 赤色(あかいろ)と白色(しろいろ)は、日出づる国の国旗の色だよな?」
コウ
「 そうです。」

アル
「 そして、おめでたい時の色でもあるよな?」
コウ
「 え?まぁ一応。」

アル
「 じゃ、今が仲直りした時って事で赤と白でひとつ宜しく。
 俺の可愛い甥っ子たちと妹を宜しく頼む。」
コウ
「 まっかせなさ〜い。」

アル
「 おお、頼もしいですなぁ〜。流石、俺の義弟。See Ya Later!」

受話器をもとに戻すアル。
昨日のように家の中をびちょびちょにしないように、
Tシャツで濡れた体を拭きそれを着てスウェットを穿きリビングに入ったアルなのである。
しかしその顔は、目蓋を泣き腫らし目は充血し鼻は赤くなっているのである。
エヴァ
「 いつからリビングに居たのよ?兄さん。」
アル
「 〔 声聞いて判らない? >ってところから。」
エヴァ
「 あたしの声真似、似てないわ。」
アル
「 ふん!
 夫婦喧嘩して家出のように家を飛び出してきたんだな、おまえ。まるで子供だな。
 そんなおまえより俺の似てない声真似の方がいい。」
言い終えてエヴァをハグしたアル。
「 俺には、夫婦喧嘩する相手も恋をする相手も居ないのに。贅沢なんだよ、おまえは。」
そう言われ、兄であるアルにしがみつくエヴァ。
デイジー
「 口喧嘩なら!」
アル
「 ん?」
エヴァをハグしながら顔だけは、
ダイニング・ルームで一人まだ立っているデイジーへと向くアル。
デイジー
「 口喧嘩なら、あたしが相手になってあげるわよ!」
アル
「 デイジー、おまえが父さんの口喧嘩の相手だとぉ。まだまだだね。」
デイジー
「 何ですってー!」
ジョージ
「 かいじゅうおじさん、みてみてー!」
アル
「 ん?」
ジョージの声に呼ばれ庭へと出たアル。
「 あー!」
ジョージ
「 おじさんのデカパンツが プールで泳ぎたい。っていってたから、
 ぼくがプールにいれておいてあげたよ。」
プールの水面(みなも)をぷか〜ぷか〜と漂うアルの下着パンツ。
アル
「 ジョージ!なんてことしでかしてくれたんだ!おまえは!」
Tシャツとスウェットを脱ぎまたプールへと飛び込んだアル。
ジョージ
「 おじさん、ふる・ちんてぃー!ふる・ちんてぃー!わーい!」
アル
「 俺を何回もフル・チンティにさせるなー!
 それになぁ、これはデカパンツじゃなく、トランクスなんだよ、トランクス!」
プール中央でトランクスを回収しそれを広げてジョージに見せつけながらそう言ったアル。

空港に居るヤマデラ一家とウェイバー一家。
エヴァ
「 あたし、あの禁句言ってウェイバー三姉妹に説教されたわ。」
アル
「 俺もだ。ヤマディラ’s BOYSに説教された。
 おまえの息子たちはウチの娘たちを、
 ウチの娘たちはおまえの息子たちに、気ぃ遣ってるあいつらなりの優しさだ。」
エヴァ
「 いい子たちだわ。…でも、人生って不公平よね。」
アル
「 解ってら〜い、そんな事ぉ。」
エヴァ
「 あたしは娘が欲しかったのに息子たちの母親に。
 兄さんは息子が欲しかったのに娘たちの父親に。それぞれ成っちゃった。。」
アル
「 エヴァ、おまえは俺と違って娘の母親に成るチャンスがある。」
エヴァ
「 なら、兄さんにだってチャンスはあるわよ。」
アル
「 え?」
エヴァ
「 養子よ。」
アル
「 あ〜、俺の頭の中には無かったけど、そういう手もあるな。
 男手一つで、三人の娘で手ぇいっぱいなのに養子だけもらってもな。」
エヴァ
「 そう。。なら、シングル・マザーが最適かしら。」
アル
「 ふふ、居ればな。 コウと仲良くな。」
エヴァ
「 コウ次第。」
アル
「 おまえ次第だ。」
エヴァ
「 …そうね。」
エヴァをハグするアル。
アル
「 元気でな。今度はコウと一緒に来い。」
エヴァ
「 うん。」
ハグを解いたアル。
エヴァ
「 ジョージ!ディラン!」
傍にあるソファーでウェイバー三姉妹と話しをしていたジョージとディランを呼んだエヴァ。
別れの挨拶を交わすヤマデラ一家とウェイバー一家。
エヴァ
「 三人とも元気でね。怪獣兄貴の事宜しく頼むわね。」
ウェイバー三姉妹
「 まっかせなさーい!」
エヴァ
「 頼もしいわ。」
セシリー、デイジー、エミリーとそれぞれハグをするエヴァ。
アル
「 おいヤマディラ’s BOYS、お母さんの言う事聞いて、そして守ってくれ、俺の妹を。」
ジョージ&ディラン
「 まっかせなさーい!」
アル
「 頼もしいですなぁ〜。流石俺の甥っ子たちだ。」
ジョージとディランをその大きな体で同時にハグをするアル。
アル
「 元気でな。今度来る時はお父さんも一緒にな。」
ディラン
「 そいつはどーかな?」
アル
「 え?」
ディランの思いがけない返事にハグを解いたアル。
ディラン
「 伯父さんが僕たちの事をヤマデラって言えるように成ってぇ、
 伯父さんのベッドが臭くなくなってぇ、あのうるさ過ぎるイビキと寝相の悪さが直ったら、
 来てあげるよ。」
ジョージ
「 そーだそーだ!」
アル
「 は?」
ディラン
「 まったくさぁー、おかげで寝不足だよ〜。」
ジョージ
「 そーだそーだ!」
アル
「 何だとこらー!」
エヴァ
「 行くわよ、ジョージ、ディラン。」
ジョージ&ディラン
「 は〜い!」
搭乗ゲイトへと消えていくヤマデラ母子(おやこ)。
ジョージ&ディラン
「 バイバーイ、怪獣伯父さ〜ん。」
アル
「 おい待てこらー!まだ話が済んでないぞー!」

空港にある青空と飛行機とを一望出来る場所に出て来たウェイバー一家。
エミリー
「 わーい!ひこうきがいっぱ〜い!」
そう言ってベンチに座り、スケッチ・ブックを開き飛行機のおえかきをし始めたエミリー。
その右隣にはセシリーとデイジーが左隣にはアルが座った。
キィィィィーーーーンッッ!!!
飛行機が飛び立つ音がウェイバー一家の頭上にトドロキ、
全員が耳を塞ぎしかめっ面になった。
「うるさーーーーいっ!!」
セシリー
「 今の飛行機に乗ってたのかな?叔母さんたち。」
アル
「 う〜ん、時間からして、、」
腕時計を見たアル。
アル
「、、そういう事にしておこう!」
青空と飛行機を見上げているウェイバー一家。
アル
「 そらだって飛べるさ。」
そう一人呟いたアル。

セシリーとデイジーの部屋に、届いたばかりの新品のドレッサーが置いてある。
アル
「 まったくぅ〜、娘っ子てのはぁ〜、あんなモノが好きなんでありますかなぁ〜?
 クリスマスでもないのにプレゼントさせられちまった。くそっエヴァの奴めぇ〜。」

◇アルの回想◇
エヴァ
「 ドレッサー1つで3人の娘たちに、
 サービスサービスぅーっ!しなさいよ!」


愚痴りながらも、
ドレッサーの前ではしゃぐ娘たちの姿が嬉しくて優しい笑顔で三人を見ているアル。
ふと、そんなアルに気付いたデイジー。
「 ちょっと怪獣親父、何ニタニタしながら見てるのよ。」
アル
「 ニタニタではない。嬉しさ3倍で自分の可愛い娘たちを見ているのである。」
セシリー
「 嬉しさ3倍?」
アル
「 へへへ、、、」

◇アルの回想◇
コウ 
「 義兄さん、この字、何て読むか分かりますか?」
リビングで、
テーブルを間にアルと向かい合ってソファーに座り、
何かを書いた1枚の紙をアルに渡したコウ。
アル
「 う〜む。これが、コウおまえの故郷である日出づる国の、
 漢字 
と、言う文字である事は以前(まえ)におまえに教えてもらったから判るが、
自由を謳うこのアの国で生まれ育ち
日出づる国に関しての勉強をしていない俺には、
何と読むのか分からんよ。」
そう言ってコウに紙を返したアル。
コウ
「 義兄さん、これは、
“ 嬉しい ”
という意味の漢字です。」
アル
「 “ 嬉しい ”?」
コウ
「 ええ。いいですか、、」
“ 嬉しい ”と書いてある面をアルに向け説明を始めたコウ。
「 この左半分は、“ 女 ”という意味の漢字です。
右半分は、“ 喜び ”という意味の漢字です。
この二つがくっ付くと、“ 嬉しい ”という意味の漢字に成るんです。
 [ 女を喜ばすと嬉しい ]
まるで、恋する男心みたいな漢字でしょ。」
アル
「 ♀女を悦ばすと嬉しい♂゜゜。。。」
コウ
「 ・・その目つき、、義兄さん、何かHな事を想像してませんか?」
アル
「 勿論だともさね!
俺が‘ この街 ’に購入したこの家にはなぁ、
未成人の女の子が三人も居て成人男性は俺一人っきりだ。
Hな事など御法度なのだよ。
だが・しかしー、今、このリビングには、コウ、おまえと俺しか居ない。
成人男性二人っきりな時くらいHな事を妄想したってよかろぉ〜?
罰(ばち)はあたらんて。
にしても漢字というヤツは、
それ単体でも意味を成し、他の漢字と合体しても意味を成し、
そう成る迄の過程にも意味があり、まるで、
男と女みたいではないかね。奥深いモノでありますなぁ〜。う〜ん。」
コウ
「 ・・何か、欲求不満にしか聞こえませんが。。」
アル
「 何だとこら! 俺は欲求不満なんだよぉ〜!」
コウ
「 …贅沢ですよ。。。」
アル
「 え?」
コウ
「 僕の所には、女はエヴァしか居ない。彼女が望んだ娘は居ない。
それに比べて義兄さんは、セシリー、デイジー、エミリー、
女が三人も居る。[ 女を喜ばすと嬉しい ]は、僕の3倍ですよ。」
アル
「 …そうかもな。でもなぁコウ、
おまえにはジョージとディランが居る。扶養家族の数はお互い3人で同じだぞ。
それに、ジョージとディランを喜ばすのは嬉しいだろう?」
コウ
「 もちろん!」
アル
「 なら、俺を羨ましがる必要なんてないさね。」
コウ
「 …。」
アル
「 俺は、♀女を悦ばす♂事が出来るおまえが、羨ましい〜。」
そう少しおどけて言ったアル。
コウ
「 義兄さんだってまだチャンスが、、」
アル
「 …出会いだけの問題じゃないんだよ。。。」
笑顔でありながら伏し目になったアル。
コウ
「 え?」


アル
「 、、ならば説明しよう!」
デイジーの机の椅子に座っていたアルは、
鉛筆立てから鉛筆を取り出し机の上にあったノートに勝手に何かを書き始めた。
デイジー
「 ちょっと!あたしのノートに勝手に落書きしないでよ!」
アル
「 まぁまぁそう言うなよ。書けた!見ろーっ。」
何かを書いたページを娘たちに見せたアル。
「 これはな、コウの故郷である日っ出づる国の漢字と言う文字だ。
 こっち側半分が、 “ 女 ”という意味の漢字。
 で、
 こっち側の半分が、“ 喜び ”という意味の漢字だ。
 この二つが合体すると、“ 嬉しい ”という意味の漢字に成る。
 これは、[ 女を喜ばすと嬉しい ]という男心から出来た漢字なのだよぉ〜。
 父さんには、
 セシリー、デイジー、エミリー、おまえたち3人もの女の子が居る。
 3人もの女の子を喜ばす事が出来る。だから即ち 嬉しさ3倍なのだよぉ〜。
 ドッレサー1つで3人の女の子を喜ばす事が出来る。まさに、
 一粒で三度オイシー。$経済的でありますなぁ〜。
 この漢字を目をくいしばり見て、そしてこの漢字の事を、
 おまえたちの灰色の脳細胞の記憶領域に、新たなる認識として記憶しろぉ〜い。」
そう言うとアルはデイジーのノートに勝手に書いた漢字をどーん!と指差した。
“ 喜女しい ”
セシリー
「へぇ〜そうなんだぁ〜。」
エミリー
「 エミリーぜんぜんわかんなーい。」
アルが書いたその漢字が間違っている事に気付くモノはウェイバー一家の中には、
誰も居なかった。日本語を知らないモノたちゆえ、いたしかたあるまい。
デイジ−
「 てか!
 あたしの机の椅子に座らないでよ!怪獣親父!壊れたらどーするのよ!」
アル
「 へっ!
 豆腐ハンバーグのお蔭で、
 135kgから120kgに痩せた男が座ってるくらいの事で壊れるわけなかろう。」
バキッ! /  ドカッ!  「 痛ぇー!」
デイジー
「 あーもう!言ってるそばから壊したーーっ!!」
デイジーの机の椅子は、背もたれにアルの全体重を受けそして、崩壊した。
背もたれが崩壊した事によりアルの体は、
万有引力の法則に従い地球の重力に体を引かれ床へと落下した。
エミリー
「 〜♪ママじゃない奴がこわ〜したママじゃない奴がこわ〜した♪」
アル
「 うたってるばあいかエミリー!とうさんはいまおっこちていたかったんだぞー!」
セシリー
「 父さんったら。。」
デイジー
「 新しい椅子買ってー!今すぐに買いに行くのよー!」
アル
「 少しは父さんの事を心配しろ!自分の事ばっかりで!
 壊れたのは父さんの所為じゃない!
 この椅子を作ったメーカーの企業努力が足りないからだ!
 ええい!私に痛みを与えるメーカーなど、
 今後の発展の為に敢えてクレームをつけて修正してやるってんだよぉ〜!」

つづく

次回 : 「 ALaたなる出発(たびだち)のバラード 」
フランク
「 あ!かいじゅうだ!」

「 A I の地平に覚醒(めざ)めるか?A L 」



□ エンド・ロール □

STARRING

アル・ウェイバー( バズ・マイヤー ) : 富田耕生

セシリー・ウェイバー( エレナ・スコットフィールド ) : 坂本真綾

デイジー・ウェイバー( マイア・トンプソン ) : 大谷育江

エミリー・ウェイバー( ウェンディー・スウィックス ) : 矢島晶子

ケイト・リプリー( ジェイン・ウィープ ) : 戸田恵子


GUEST STARS

エヴァ・ヤマデラ( コニー・ミッシィー ) : 三石琴乃

コウ・ヤマデラ( リョージ・カヂ ) : 山寺宏一

ディラン・ヤマデラ( アルバート・サンズ ) : 田中真弓

ジョージ・ヤマデラ( ギルバート・サンズ ) : 一龍斎 貞友

posted by 仮面ヒッシャー電脳< 俺、創造! 〕 at 22:21| Comment(0) | TrackBack(0) | 第2シリーズ MYD:U −血と肉と汗と涙と−  全13話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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