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2007年12月18日

第12話 「 まじわぬ想い  FLOATING HEARTS 」

夕方
 @ケイトの店

アル
「 ようケイト、お疲れぇ。」

夜の営業にむけ仕込み中のケイト一人だけの客が居ない店に入ってきたアル

ケイト
「 ハーイ、アル。お疲れ様。」

ケイト特製アル専用赤いスペシャル・ドリンク “元気百倍式”を、
アル専用カウンター席に置くケイト

アル
「 どっこらせっと。」

アル専用となっている店の一番奥のカウンター席に当然のごとくに座るアル

アル
「 いただきます。」
 
“元気百倍式”を飲むアル

アル
「 おいしい!
 このドリンクは、
 労働で疲れた俺の体と心を潤してくれる
 ケイトが生んだ至福の極みだよ。」

ケイト
「 いつもながら、よく判らないけど、お褒め頂き嬉しいわ。」

アル
「 判らない だってぇ! 
 『 新世紀エヴァンゲリオン 』(C)GAINAX・カラー/Project Eva だよ!
 『 宇宙戦艦ヤマト 』(C)松本零士/東北新社/バンダイビジュアル だよ! 
 そん中でなぁ、
 カヲル君がシンジ君に言うんだよ!
 デスラー総統が言うんだよ!
 WOTA.tvを観ろってばよ!観ればわかるさっ!」

ケイト
「 遠慮しとくわ。」

アル
「 何だとー!」

ケイト
「 それよりアル、今度当店(ウチ)にディナーを食べに来ない?」

アル
「 え?」

ケイト
「 あの男達をやっつけてくれたお礼と腕闘大会のお祝いを兼ねて。どう?」

アル
「 う〜ん、お誘いはうれしいけど、我がウェイバー家(ウチ)は、
 父子家庭で大人は俺一人しか居ないから、夜は娘たちだけにしたくないんだ。」

ケイト
「 そう。。。」

アル
「 あ、でも考えるよ。ニ、三日待ってくれるかい?」

ケイト
「 ええ。」

第12話 「 まじわぬ想い  FLOATING HEARTS 」

エミリーをザイウォン学園付属幼稚園にむかえに行く途中、
信号待ちをしている車中のアル

アル
「 俺、どうする?
 ケイトからのお誘いを断るわけにはいかない。でも、
 夜、家に娘たちだけにしたくない。。どうしたら、、」

突然アルの眉間から青白いイナズマが走った。

アル
「 あ!いい事思いついた!
 今のイナズマは、
  " 空間(あま)翔(かけ)デブの閃き " だってばよぅ。」

 @ウェイバー家

エミリー&アル
「 〜♪動く歩道は 自立歩行で行ーけー♪
   ♪ケッケロッケロー♪
 たーだっいまー!」

帰宅し、父娘(おやこ)で手をつなぎ
鼻ヲ歌を歌いながら食卓へ来たエミリーとアル

クリスティー
「 おかえりなさい!」

アル
「 おお、
 今宵の
 我がウェイバー家(ウチ)の料理番はクリスティーでありましたかぁ。
 丁度いい。
 おい、エミリー、
 おうちにかえってきたらいちばんさいしょにすることはなんだぁ?」

エミリー
「 きたくのあいさつ で あります!」

アル
「 ・・・
 、、、それが一番最初だったかぁ。。。
 では!にばんめにすることはなんだぁ?」

エミリー
「 てあらいとうがい で あります!」

アル
「 そのとおりだ!では、いけっ!エミリー、すばらしききおくとともに。」

エミリー
「 エミリー
   てあらいとうがいをしにせんめんだいへいく で ありまーす!」

洗面台へ向うエミリーの後姿。

エミリー
「 〜♪いーけいーけエミリー せんめんだいへいーけー♪ 」

エミリーが洗面台へ行ったのを両眼で確認したアル

アル
「 おいクリスティー。」

クリスティー
「 何突然!気配を消してあたしのすぐ隣に現れないでよ。
 料理中よ危ないじゃない。」

アル
「 あ、それはすみません。
 あのぉ、お願いがあるんですが、、、」

クリスティー
「 なぁにぃ、怪獣父さん。」

アル
「 我がウェイバー家の可愛い可愛い三人の娘たちを、
 貴女のお宅にお泊りさせて頂けないでしょうか?」

クリスティー
「 何で?」

アル
「 ほら、貴女のお宅は我がウェイバー(ウチ)と違って
 社員さん達を呼んでガーデン・パーティーを開催(ひら)ける程、
 広〜いお屋敷で豪邸じゃありませんかぁ、たまにはそういう所で、
 セレブリティーグッド(上向き矢印)な気分で過ごさせてあげたいと思う、
 男手一つで三人の娘たちを育てている父親である私の、
 せめてもの親心なんですぅ。はぁ〜い。てゆーか、
 人生経験?」

クリスティー
「 別にいいけど。」

アル
「 yattaaaaaa!」

クリスティー
「 でも、取り引きよ。」

アル
「 え?そんな、大人がやる事を真似しなくていいんだよ!」

クリスティー
「 じゃぁ、ウチのお屋敷で豪邸にお泊りさせる事は無かった事にぃ。」

アル
「 わかりました!取り引きします。で、条件は何だ?」

クリスティー
「 あたしを怪獣父さんの4番目の娘として認めて。」

アル
「 は? まぁ、、いいけど。」

クリスティー
「 yattaaaaaa!」

アルにしがみつくクリスティー

アル
「 取り引き成立だぞ。」

夕食@食卓

全員
「 いただきます!」

アル
「 今宵はクリスティーがこの世界に作り出した料理だ。
 味わい、そして、心して食すようにな。」

デイジー
「 は?別にそんな念を押さなくったって。」

クリスティー
「 そんな事より、今度ウチにお泊りしに来ない?」

セシリー
「 え?」

デイジー
「 行くー!セレブリティーグッド(上向き矢印)な気分を存分に味わせて頂くわ。」

エミリー
「 エミリーも、いきまーす!」

ほくそえむアル

セシリー
「 父さん、いい?」

アル
「 ああ、いいともさね。」

 @ケイトの店

アル専用カウンター席に置いてある、
ケイト特製アル専用赤いスペシャル・ドリンク “元気百倍式”。

アル
「 ディナーの事だけど、来週の週末なら大丈夫だよ。
 てか、大丈夫にした。」

ケイト
「 わかったわ。楽しみにしてて。」

微笑むアル

 @ウェイバー家

デイジー
「 えー?リムジンじゃないのー?初っ端からして
 セレブリティーグッド(上向き矢印)な気分を存分に味わえないじゃないよー!
 萎え〜。」

アル
「 そう言うな、SPが運転し同乗する車なら安心ですぞぉ〜。
 ささ、行かれよぉ〜、我がウェイバー三姉妹ぃ〜。」

エミリー
「 ひとりでさみしくない?」

アル
「 しんぱいしてくれてありがとうエミリー。
 でも、ひとばんだけだから、とうさんさみしくないよ。
 おねぇちゃんたちのいうこときいて
 マッグレガーさんにめいわくかけないようにしろよ。」

エミリー
「 ぶっらじゃー!」

セシリー
「 じゃ、いってきます。」

アル
「 お行きなさい。クリスティーよろしく頼む。」

クリスティー
「 まっかせなさーい!」

ウェイバー三姉妹とクリスティーを乗せ、
SPが運転する特別仕様車が発進する。
その車が見えなくなるまでその両眼で見ているアル

アル
「 MISSION COMPLETE.ミッション・コンプリート。
 上手くいった、作戦通りだぜ。クックックー。
 我いざ行(ゆ)かんケイトの許(もと)へー。アル、行きまーす!」

 @ケイトの店

アル
「 ケイトぉ居るかぁい?」

躊躇いがちに店内へ入ってきたアル

ケイト
「 こんばんはアル。いらっしゃい。」

厨房から出てきたケイト

アル
「 良かった〜居たよぉ。
 外の照明は点いてないしCLOSEDの看板ぶら下がってるし、
 居ないかと思ったよ。
 しかも店ん中も暗くて、こらー一体どういったこったい?解った!
 ビックリ・パーティーだな!」

軽く首を横に振るケイト

ケイト
「 今夜は貸し切りよ。」

アル
「 え?週末の夜の$稼ぎ時に?」

ケイト
「 たまには、商売抜きで料理を作りたいと思って。」

アル
「 ええ?
 資本主義の重力に魂を引かれているこの店の女店主の言葉とは
 俄には信じ難い。」

ケイト
「 息抜きよ、息抜き。さ、始めましょ。」

テーブル席に座っているケイトとアル
テーブルの上には
ケイトがこの世界に作り出した料理を乗せた皿が並んでいる。

ケイト
「 誕生日にカラダにお絵描きをされた事と
 天下一腕闘大会優勝を祝して、
 それと、
 あの男達をやっつけてくれたお礼に。乾杯。」

アル
「 〜♪おっとっなののみもの で かんーぱい♪」

ふたりきりの静かな店内にワイングラスが軽く当たる音が響く。
一口目を飲むケイトとアル

ケイト
「 なぁに?今の。」

アル
「 俺の鼻歌さ。」
 
ケイト
「 そう。
 あたしが作った料理を、食べてみてよ。」

アル
「 お言葉に甘えてーぇ。パクっとな、もぐもぐ、ごっくん。
 YUMMY! おいしいー!
 ケイト、こっちのも食べていいかい?」

ケイト
「 どうぞ。」
 
アルの食べる姿を微笑みながら見つめているケイト

ケイト
「 …アル、あなたは、
 ‘ この街 ’で一番、
 あたしの料理
    を
    おいしく食べてくれる。。」

テーブルの上には、
ケイトがこの世界に作り出した料理を乗せていた皿はもう無く、
ふたりのグラスとワインのボトルと、
ふたりを照らすアロマ・キャンドルがあるだけである。

アル
「 は〜、おいしかった。ごちそうさまでした。」

ケイト
「 どういたしまして。」 
 
アル
「 俺にはやっぱりビックリ・パーティーだな。」

ケイト
「 え?」

アル
「 貸し切りでふたりきりなんて、考えもしなかった。 」

ケイト
「 お祝いとお礼 って言ったじゃない。」

アル
「 貸し切りでふたりきりとは言わなかった。
 だから俺はてっきり、
 夜の通常営業の時に
 食べ放題飲み放題にしてくれるのかと思ってた。」   

ケイト
「 考える事が独創的ね。」

アル
「 そうかな?
  …きみの事をこうして正面から見るのは初めてだ。」

ケイト
「 え?」       

アル
「 いつもはちょっと上に見てるから。」

ケイト
「 カウンターの中とカウンター席に座った状態なら自然とそうなるわ。
 今夜のあなたはいつもより少し大きく見えるわ。」

アル
「 ‘ この街 ’に来てから15kgも太ったからね。
 今じゃ135kgに成っちまった。
 おいしいモノをいつもたくさん食べさせてくれる人が居るから。。」

ケイト
「 あたしはちゃんとカロリー計算してメニューを考えてるわよ。」

アル
「 きみを責めてるわけじゃないよ。
 きみは俺に、
 食べる事は生きる事を実感させてくれている。
 …死んだら、、こうやって、食べる事やそれ以外の喜びが、
 味わえなくなっちまう。。。。」

ケイト
「 … 」

アル 
「 …
 ‘ この街 ’に来て
 一番最初に友達に成ってくれて、親切にしてくれて、
 本当に感謝してるよ。ありがとう。」

ケイト
「 そんな、改まって言われると、、」

照れ隠しでワインを飲むケイト
そんなケイトを微笑んで見ているアル

ケイト
「 、、どういたしまして。
 あなたはほら、男手一つで頑張るってるから、その、、
 あたしなりの応援ていうか、、そんな感じ。。」

アル
「 嬉しいよ。」

ケイト
「 照れるわ。。」

おもむろに立ち上がりカウンターへ向うケイト
カンターの中へ入りラジオのスイッチを入れ選曲するケイト

ケイト
「 あ!
 ♪ムーンライト・セレナーデ♪ これがいいわ。」

店内に流れる
グレン・ミラー・オーケストラが奏でる
♪ムーンライト・セレナーデ♪

カウンターの中から出てテーブル席に座るアルの隣に来たケイト

ケイト
「 踊りましょう。この曲聞いたら踊りたくなっちゃった。」

アル
「 え!?踊れないよ! 酔ってるのか?ケイト。」

ケイト
「 お酒を飲めば誰だって酔うわ。あたしがリードするから大丈夫よ。」

アルの太い腕を取り席から立たせるケイト  

ケイト
「 あたしの右手はこうやって、あなたの左手を握って、位置は、
 はい、此処。
 あなたの右手はこうやって、あたしの腰に。」

アルの右手を自分の腰に持ってくるケイト

ケイト
「 そしてお互いに体を寄せる。はい、完成! 
 あとは音楽に身をゆだねるのよ。 」  

左手で握ったケイトの右手、ケイトの腰にまわした右手、
自分の背中にあるケイトの左手、寄せ合った互いの体。
全身でケイトの事を感じているアル

アル
「 きみを上から見るのは初めてだ。」

ケイト
「 あなたを下から見上げたのは初めてだわ。
 身長は20cmくらいあたしより高いのかしら?
 大きく見えるわ。
 体重は、あたしより3倍くらい違う。
 大きなお腹が邪魔かも。」 

アル
「 えーと、135÷3はぁ、、」

ケイト
「 はい!そこで計算しない!こうやってれば判るでしょ?」
 
寄り添い踊っているケイトとアル
ぎこちない動きのアル

ケイト
「 …ねぇ、アル、、」

アル
「 ん?」

ケイト
「 再婚は考えないの?」

アル
「 う〜ん、
 考える余裕ないね。娘たちの事で頭がいっぱいだ。
 それに、
 体重130kgオーバーもれなく3人の娘付きな
 恋も出来ない大人の女の前で脱ぐ機会なんかもうない
 バッド・ルッキングでデブなシングル・ファーザーを
 結婚相手に選んでくれる女性(ひと)が居るとは思えない。」

ケイト
「 … 」

アル
「 男手一つで三人も娘を育ててるなんていうこの状況は、
 そりゃぁ大変だけど、
 う〜ん上手く言えないけど、心のどっかで、
 落ち着いてるっていうか、楽っていうか、これが当たり前っていうか。
 今迄仕事で忙しくしてて出来なかった事を今やってる気がする。
 娘たちと一緒に居るっていう親として当たり前の事をね。
 今、我がウェイバー家(ウチ)には新しく誰かが入れる余地が、、
 無い気がする。
 だから、再婚は。。」

ケイト
「 仕事が忙しい 
 男はいつもそうやって逃げるわ。」

アル
「 …
 かもな。。」

アルの胸に顔を埋めるケイト

ケイト
「 ..ねぇアル、あなたは誰に癒されてるの?」

アル
「 娘たちが癒してくれてるよ。
 それと、き、あ!」

足が縺れケイトを巻き込み床に倒れ込むアル
倒れた拍子に握っていたふたりの手が放れた。

アル
「 大丈夫かケイトっ!!
 俺の下敷きになって圧死なんかしてないだろーなっ!!」

慌ててその太い両腕で自分の上体を起こすアル

ケイト
「 圧死はしてないわ。」

アル
「 良かったぁ。ごめん。やっぱり俺、ダンスは。。」

今、自分の体の下に居るケイトを見つめるアル
見つめ返すケイト

アル
「 … 」

ケイト
「 … 」 

見つめ合うふたり、長い間 

ケイト
「 いいのよ、、アル。」

そう言うとケイトは、
右手でアルの太い左腕を掴み、そして左膝を立てた。  

アル
「 ! 」

次いで右膝を立てようとしたその瞬間、
アルは慌てて立ち上がり
ケイトから距離を置いて半身の状態に成った。
ケイトから顔を背けているアル

アル
「 お礼ってこういう事?」

ケイト
「 … 」

何も言わずに立ち上がるケイト

アル
「 俺は別に下心があってあの男達をやっつけたワケじゃない!
 俺がそうしたかったからそうしただけで、
 見返りなんか求めてなんかしてやしない!だって俺は、
 きみの事が、、」

ケイト
「 … 」

アル
「 映画なら!
 …映画なら、
 主人公とヒロインが
 急に恋に落ちて、ロマンチックなシーンもあって、、、
 でもそんなの、
 2時間やそこいらの上映時間の中で客が飽きて帰らないようにする
 その為のモノだ。
 現実だ、今、俺たちが居るのは、現実の世界だ。」
 
ケイト
「 大人には、大人の癒し方があるわ。
 それも現実よ。」 
   
アル
「 …俺はまだ、、、それに、
  ……きみは、本当の俺を知らない。。。」

ケイト
「 … 」

アル
「 ごめん、、帰るよ。 今夜は、、、本当にすまない。。。」

ケイトに顔を見せず背を向けたまま店を出るアル
扉の閉まる音。

ケイト
「 … 」 


月のない夜にアルの上に輝きそして照らしている幾多もの星々。
それらを見る事もなく、
肩を丸めズボンのポケットに手を入れて家へと歩くアル

アル
「 … 」

ケイトに向って泳ぎだせない、この太ったイキモノ。


つづく


次回 : 「 恋する娘たち  1st LOVES 」

エミリー
「 けっこんしましたー!」
   

「 戦雲がアルを呼ぶ 」


□ エンド・ロール □

STARRING

アル・ウェイバー( バズ・マイヤー ) : 富田耕生

セシリー・ウェイバー( エレナ・スコットフィールド ) : 坂本真綾

デイジー・ウェイバー( マイア・トンプソン ) : 大谷育江

エミリー・ウェイバー( ウェンディー・スウィックス ) : 矢島晶子
 
ケイト・リプリー( ジェイン・ウィープ ) : 戸田恵子 










posted by 仮面ヒッシャー電脳< 俺、創造! 〕 at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 第1シリーズ MYD:T −新米親父と三人の娘たちと−  全13話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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