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2008年06月25日

Ep#07−U 「 歪む世界 : 承  Do You Love ME? Piece2/3 」

床に置いてあるパチモンのGAMERA型ルーム・ライトの淡い色に照らされて、
自分の部屋のベッドで眠っているフランク。
シャワー・ヘッドはアルを天から見ているかの如くに彼の顔面に温かい水を雨のように落としている。
濡れているアルのカラダ。
ドラム式洗濯乾燥機の回るドラムの中で踊るアルの衣類。
クラリス
「 あなた専用の大きいバスローブを買っておけば良かったわ。」
そう言いながら、
シャワーを浴び終えてバスタオルを一枚は肩に羽織いもう一枚は腰に巻いただけの姿で、
リビングのソファーに座っているアルの左側に座り、
雨に濡れた彼の額の絆創膏を新しい絆創膏に張り替えたクラリス。
「 どうしたの?何があったの?アル。」
すぐ隣に居るクラリスの顔を見る事もなく床の一点を見つめたまま彼女の問いに対して話し始めたアル。
「 ……デイジーが、、家出をした。」
クラリス
「 え!?」
アル
「 デイジーが‘ この街 ’で一番好きな場所に探しに行ったけど居なかった。
 あそこで一人で泣いてると思って行ったけど居なかった。
 友達の所に行ってる。って思いついたけど、デイジーの学校の友達を俺は知らない。
 デイジーの事を知ってるつもりに成っていただけだったんだ。
 初潮を迎えた時だってデイジーは俺には何も言わないで。。。
 デイジーは今生理中で、俺はそれを忘れてて、約束したのに忘れてて。。
 デイジーのやつは生理が重くて、今もどっかで苦しい思いをしてるんだ。それなのに俺は、
 何処に居るかも判らなくて探せなくて見つける事も出来なくて。。
 デイジーは俺に訊いた事がある。
 あたしが家出したらどうする?って。その時俺は自分で探してむかえに行く。って言ったんだ。
 それなのに俺は、探す事もむかえに行く事も出来ないでいる。。
 俺は、俺はデイジーの父親なのに。。。うぅぅ、、、」
自分の後悔の念を一気にぶち撒けると心を突き動かされて、
床に裸足のままの足元に大粒で大量の涙を落とし号泣するアル。
彼の姿はクラリスにその泣き顔を見られたくないかの如くに、
彼女から離れるように、両の肘を両の膝辺りにつき前屈みになり、
両の手で自分の顔を覆い隠している。
大きくてゴツい手の間から床へと落ちるアルの涙。
「 アル!」
そんなアルの姿を目の当たりにして思わず細い体で倍以上もある彼の体を力いっぱい抱きしめたクラリス。
「 大丈夫きっと大丈夫よアル。」
ハグを解き、
ひとしきり泣いた後の涙でぐちゃぐちゃになったアルの顔を、
両の手で優しく包み込み自分の方へと向け、両の親指の腹でアルの涙を拭ったクラリス。
アルを見つめるクラリス。
泣き腫らした眼でクラリスを見つめるアル。
自分の唇をアルの唇へと近付けていくクラリス。
ふたりの足元に落ちた、アルが肩に羽織っていたバスタオル。
落ちたバスタオルの端が、
アルの足元にある、彼が床に落とした事で出来た水溜まりのようになっている涙を吸い込んでいく。

雨雲が晴れ、
地球に住むモノにはその裏側を決して見せる事のない月が半分に欠けた姿で現れ淡い青白い光で、
眠りに就いている‘ この街 ’と、
クラリスの寝室とその床に脱ぎ捨てられている彼女のパジャマとランジェリーそして、
アルがさっきまで腰に巻いていたバスタオルを照らしている。
IN BED WHTH CLARICE.
AL OUT OF BED.
淡い青白い光に照らされているクラリスの背中とその先にあるアルの背中。
クラリス
「 どうしたの急に?アル。」
ベッドの中から、
ベッドの端で彼女に後頭部の傷跡を曝しながら床に両足を付き座っているアルの、
幾多の傷跡が残る汗で濡れている逆三角形の背中に問うたクラリス。
背後に居るクラリスに顔を向ける事なく話し始めるアル。
「 クラリス、君は濡れるが、俺は濡れない。」
クラリス
「 ? 」
アル
「 濡れるどこらか勃ちもしない。俺はオスとしてメスの君に、女の悦びを与える事が出来ない。
 交わってみて解っただろう?
 俺ノはフランクのモノより大きいのに腹が邪魔で自分の眼じゃ見る事が出来なくて、、
 ただぶら下げてるだけの役立たずなモノだ。
 女を悦ばす事が出来なきゃ嬉しくなんかない。
 俺はもうオスじゃない。。。」
クラリス
「 …。」
アル
「 …女房が死んでから、こう成った。。」
クラリス
「 !
 奥さんとは死別なの?あたし、てっきり離婚したとばかり。。ごめんなさい。」
アル
「 謝る事はないさ。謝らなきゃいけないのは俺の方だ。
 君が俺を求めても、俺はそれに応えられない。
 俺が君を求めても、その先にはいけない。
 君に慰めてもらいたかった。
 オスとして女を悦ばす事も出来ず、
 父親としても失格で。。。
 こんな事ってあるか!
 俺は一体何なんだ!!」
悔しさと情なさと虚しさと失望で涙が溢れ出て、
その場から去るようにベッドから立ち上がり寝室の扉へと急いだアル。
クラリス
「 待ってアル!今のあなたはボロボロ。あたし、そんなあなたを放ってはおけない。」
「 …。」
クラリスのその言葉にドアノブを回す手を止めたアル。
クラリス
「 だから、せめて朝が来るまで此処に居て。あなたの眠り顔を見ていたいの。」
ゆっくりとその泣き顔をクラリスへと向けたアル。
ベッドからアルの泣き顔を見つめるクラリス。
ゆっくりとベッドへと戻りクラリスにしがみつき再び涙を流したアル。
「 う、ううぅぅ、、、、」
クラリス
「 弱さを露け出す事。それもまた強さなのよ、アル。」
母のようにアルの事を優しく抱きしめて彼の耳元でそう言ったクラリス。

Ep#07−U
「 歪む世界 : 承  Do You Love ME? Piece 2/3 」

「 エミリー、入るぞ。」
ロシカ母子(おやこ)が住むアバートメントの洗濯乾燥機で洗われ乾燥され、
ウェイバー家が使う柔軟剤とは違う柔軟剤の香りが付着(つ)いた、
いつもの香りと違う昨日と同じ服装のまま、
ノックに続き声をかけ、
エミリーの部屋の扉を開いたアル。
エミリー
「 おはようママじゃない奴!
 たいようさんがおこしてくれたの。
 だからそのおれいにたいようさんのえをかいてたの。」
あの刻の記憶がよみがえったアル。
しかし、部屋の中にエミリーの姿は無い。
あの刻と同じなのは窓の外から差し込む朝日の光だけ。
部屋の外に居るアルの姿が一瞬だけ見えて閉まるエミリーの部屋の扉。
エミリーのベッドの上に置いてあるTOTOROの大きなぬいぐるみ。
「 セシリー、デイジー、入るぞ。」
ノックに続き声をかけ、
セシリーとデイジーの部屋の扉を開いたアル。
デイジー
「 ちょっと怪獣親父、何ニタニタしながら見てるのよ。」
アル
「 ニタニタではない。嬉しさ3倍で自分の可愛い娘たちを見ているのである。」
セシリー
「 嬉しさ3倍?」
アル
「 父さんには、
 セシリー、デイジー、エミリー、おまえたち3人もの女の子が居る。
 3人もの女の子を喜ばす事が出来る。だから即ち 嬉しさ3倍なのだよぉ〜。
 ドッレサー1つで3人の女の子を喜ばす事が出来る。まさに、
 一粒で三度オイシー。」
\ バキッ! / \ ドカッ! / 「 痛ぇー!」
デイジー
「 あーもう!言ってるそばから壊したーーっ!!」
デイジーの机の椅子は、背もたれにアルの全体重を受けそして、崩壊した。
背もたれが崩壊した事によりアルの体は、
万有引力の法則に従い地球の重力に体を引かれ床へと落下した。
エミリー
「 〜♪ママじゃない奴がこわ〜したママじゃない奴がこわ〜した♪」
あの刻の記憶がよみがえったアル。
しかし、部屋の中にセシリーとデイジーの姿は無い。
あの刻と同じ場所にあるドッレサーに写るアルの姿。
部屋の外に居るアルの姿が一瞬だけ見えて閉まるセシリーとデイジーの部屋の扉。
セシリーのベッドの上に置いてあるPIKACHUの大きなぬいぐるみ。
デイジーの机の新しい椅子に座っているDORAEMONの青い大きなぬいぐるみ。
セシリーを、デイジーを、エミリーを探すも、
家の中に三人の姿を発見出来ずダイニングキッチンへと来たアル。
「 セシリーとエミリーはザイウォン学園へ行ったか。デイジーは、帰って来なかったのか。」
家の外に居るアルの青いつなぎ姿が一瞬だけ見えて閉まるウェイバー宅の玄関の扉。
そして聞こえてくる施錠の音。
キッチンのシンクにはセシリーの、デイジーの、エミリーの食器が洗われずに置きっ放しになっている。
軒先に洗われずに置きっ放しになっているマスター・カリン専用のボウル。
そして聞こえてくるアルが乗った車の発進する音。

アルが働く工場内に鳴り響いている 非常時のベルの音。
停止している生産ライン。
バニラ
「 待ってろおやっさん!今助ける!」
アル
「 ぐ、、、」
右手を機械の一部に挟まれ顔を歪め奥歯を噛みしめながら痛みに耐えているアル。
アルの救出作業をしているバニラと他の同僚達。
小指と薬指と中指、三本の指をそれぞれギプスで固定しているアルの右手。
アル
「 御迷惑をおかけして申し訳ありません。工場長。」
工場長
「 まったくだっ!!
 ウェイバー、おまえの不注意のせいで我が工場の本日の目標生産数が0.07%も落ちたんだぞ!!!」
デスクの椅子から立ち上がり、
物凄い見幕で眼の前に居るアルを怒鳴る工場長の声が彼の勤務室(オフィス)に響いた。
アル
「 すいません。少しぼぉーとしてしまって。。」
怒鳴り終えデスクの椅子に座り話し始める工場長。
「 …まぉ、何だ、骨折だけで済んで良かった。
 指切断だぁ、死亡だぁ、なんて事になったらおまえ、 
 マスコミに騒がれて後も面倒臭いからな。
 生きてる事が何よりだ。」
アル
「 …。」
工場長
「 今日はもう帰れ。その手じゃ仕事にならんだろう。
 それと、暫く休め。」
アル
「 …すいません。」

クリスティーの養父であるニール・マッグレガーが社長を勤めるマグ・エンタープライズ社。
その本社ビル最上階の社長室の窓から、
下を歩く幾多の人々の中に、デイジーが居ないかと青いつなぎ姿のまま見ているアル。
しかし、
人の姿が顔を確認出来ない程小さく見えるこの場所から、
デイジーを見つける事など出来るはずがない。
そんな事は承知でそれでも、下を歩く幾多の人々を見ているアル。
ニール
「 いやぁ、お待たせしてすみません。」
その声に反応し、社長室に入ってきたニールに顔を向けたアル。
ニール
「 どうしたんですか?こんな時間に。仕事は?
 今日はアグネス社製マンゴープリンをお渡しする日でしたっけ?」
右手を顔の辺り迄挙げてギプスをしている三本の指をニールに見せたアル。
ニール
「 どうしたんですか!その指は?それに額の絆創膏。とにかく座って話を聞かせて下さい。」
ロー・テーブルを間に向かい合ってソファーに座っているニールとアル。
ニール
「 大丈夫ですか?どうしたんですか?何でまたそんな怪我を?」
アル
「 額の絆創膏は、家で階段を落ちて。
 指のギプスは、家出したデイジーの事を考えてて工場で機械に挟まれて。」
ニール
「 家出!?デイジーちゃんが?どうしたんですか?何があったんですか?」
アル
「 昨夜、母親の事で言い合いになって。それで、出て行きました。」
ニール
「 …。」
アル
「 勿論探しに行きましたよ。俺は、ニール、あんたに、
 自分で探してむかえに行く。
 そう言ったから。
 でも実際は、、探したけど見つけられなくてむかえに行けないでいる。
 ニール、俺はあの刻、あんたに偉そうに言ったのに、
 これが俺の現実なんだ。。」
ニール
「 …。」
アル
「 ニールお願いだ!
 クリスティーが家出をした刻に雇った探偵を俺に紹介してくれ!
 そいつに探してもらって自分でむかえに行くから!」
ロー・テーブルに両手を付き前乗りに成りニールに懇願したアル。
ニール
「 …。」
アルの眼に光る涙を見たニール。
「 探偵の事は私に任せて下さい。大丈夫すぐに見つかりますよ。」
アルの手を握りそう言ったニール。
「 貴方を信じているデイジーちゃんを信じて下さい。」
アル
「 …デイジーは俺を信じてなんかいない。。」
ニール
「 アル、貴方はどうなんですか?貴方はデイジーちゃんを信じていないんですか
?」
アル
「 …。」
ニール
「 自分の子供を信じる事は親の義務だと私は思っています。
 クリスティーと私は、アル、貴方のお陰で、血の繋がりが無い事を越えて心が通じ合って
 父子(おやこ)に成れた。
 血が繋がっている本当の親子なのに、アル、貴方が信じないでとうするんですか?」
アル
「 血が繋がっているから余計に難しいんだ…。」
ニール
「 アル、貴方は大切な宝モノを無くすつもりなんですか?
 貴方の大切な宝モノは無くしてもいいモノなんですか?」
アル
「 そんな事ない!」
ニール
「 なら、信じる事を忘れないで下さい。」
アル
「 ニール…。」
ニール
「 格好悪くなんかありませんよ、アル。
 自分自身と向かい合わなかったり、心をさらけ出さなかったり、
 他人が自分をこう見てるからと卑下して同情を買おうとする事のほうが、
 よっぽど格好悪いと私は思います。
 卑下して同情を買おうとしたって、人が離れていくだけという事を知らない
 無知でユーモアが無く自分自身に誇りを持っていない感動する心が亡い甘ったれ
 てるだけの人間は、私の会社には要りません。
 アル、貴方はそうじゃない。
 こんな時にどうかとは思いますが、私は今嬉しいです。
 アル、あなたが、私に 
 誰にも見せない心の裏側である月の裏側を見せてくれて、私を頼りにしてくれた事。
 それが私は嬉しいです。
 クリスティーもそうでした。クリスティーも私に月の裏
 側を見せてくれて私を頼りにしてくれている。
 私はそういうのに弱いです。
 これが私の使命なんでしょうね。 
 クリスティーよりも、アル、貴方よりも先に生まれてその分だけ長く生きている私は、
 後から生まれてきた者達に光を照らさないと。
 星はどんな人の上にも輝きそして照らしている。
 クリスティーと、アル、貴方の言葉ですよ。」
アル
「 …。」
ニール
「 今夜も星が輝きますよ。見ないともったいない。」
アル
「 ニール、俺はあんたみたいに強く成れない。。。」
ニール
「 強さが全てじゃない。全ての中に強さがあるんですよ、アル。」
アル
「 ニール…。」

エミリー
「 わーい!ママじゃないTOTOROな奴ぅー!」
ザイウォン学園幼稚園の建物から走ってきてジャンプしてアルの大きな腹に飛び
付いたエミリー。
アル
「 よーお!エミリー。」
エミリー
「 どうしたの?まだおむかえにくるじかんじゃないよ。」
アルの大きな腹にくっ付いたまま顔を上げアルに問うたエミリー。
アル
「 こうじょうで、けがしちゃったからおうちにかえるんだよ。」
腹にくっ付いていたエミリーを左腕で抱きかかえ目線を自分と同じにし、彼女の
視界に自分のギプスをした右手を入れて答えたアル。
エミリー
「 !、
 いたかった?」
アル
「 うん。すご〜くいたかった。けどいまはもういたくないよ。」
次いでエミリーから視線を外したアルは、
「 …痛いのは、体のもっと奥の方だ。。」
そう一人呟いた。
エミリー
「 おでこのばんそうこうは?」
エミリーのその問いに視線を彼女に戻し答え始めたアル。
「 あ?おでこは、我がウェイバー家(ウチ)のかいだんをおちちまってな。でも
セシリーにちりょうしてもらったからだいじょうぶだよ。
 さぁ、かえろう。
 じゃ、園長先生。」
アルの左腕で腹話術の人形のようになっているエミリーとの、父娘(おやこ)の会
話を終え園長先生に挨拶をしたアル。
園長先生
「 お大事に。」
ウェイバー父娘(おやこ)を見送る園長先生の後姿。

エミリーの幼稚園バッグを首から提げ彼女を肩車して川辺の道を歩いているアル

アル
「 ごめんなぁ〜、エミリー。くるまじゃなくて。
 このてでくるまうんてんするのはあぶないからさ。
 どうだ?とうさんのかたぐるまののりごごちは。」
エミリー
「 たかーい!」
アル
「 はは。きにいってもらえたかな。
 …エミリー、きのうはそばにいてあげられなくてごめんな。。。」
エミリー
「 きゅうにおしごとになっちゃったんだからしかたないよ。
 セシリーおねぇちゃんがいってた。」
アル
「 !
 …そ、そうなんだよ。」
エミリー
「 きょうもはやくからおしごとでしょ。それなのにけがしちゃうなんて。」
アル
「 …そうだな。」
エミリー
「 デイジーおねぇちゃんは、おねぼうしないでエミリーよりさきにがっこういっ
 たってセシリーおねぇちゃんがいってたし。」
アル
「 (セシリーのやつ、そんな事を。。)」
エミリー
「 きょうはいつもとちがうね。
 きのうとおなじきょうなんてないからかな?そうだ!
 けがをしちゃったママじゃないTOTOROな奴をエミリーがヲうたをうたって
 はげましてあげましょう。
 ♪なにがきみのしあわせ?♪」
アルに肩車をしてもらいながら日本のアニメ主題歌♪アンパンマンのマーチ♪を歌い始めたエミリー。
アル
「 …。」
頭上から聞こえてくるエミリーの歌声は、
まるで、天からの声の如くアルの心に染み入った。 

Tシャツにハーフパンツ姿で、
プールに弁慶の泣き所辺りまでを浸けて
プールサイドに座っているアル。
その姿を、
向こう側のプールサイド
に座っておえかきしているエミリー。
セシリー
「 父さん!
 幼稚園にエミリーをむかえに行ったら園長先生が手を怪我した父さん
 がむかえに来たって言ってそれであたし、、」
アル
「 オッオー!
 何をそんなに慌てているのだね?セシリー。 
 帰宅したらまず最初にする事は何でALiますかなぁ〜?」
ザイウォン学園中等部の制服姿のまま慌てて庭に出てきたセシリーに問うたアル

セシリー
「 鍵を開ける。」
アル
「 ・・・。それもあるな。。では今このタイミングでする事は何でALiますか
なぁ〜?」
セシリー
「 …帰宅の挨拶?」
アル
「 正解なのだ。解っているではないかね。なら何故にそれをせんのかね?」
セシリー
「 、、ただいま。」
アル
「 はい、おかえりなさい。」
エミリー
「 おかえりなさーい!」
セシリー
「 ただいま、エミリー。」
アル
「 心配かけてすまない。手の怪我は、まぁ、大丈夫だから。
 !、」
セシリーの眼に光るモノを見てプールサイドから立ち上がりセシリーのもとへ来
てそして彼女を優しく抱き締めたアル。
「 その様子だと幼稚園から走って帰って来たな。ごめんよ。心配かけて本当にす
 まない。」
アルにしがみついたセシリー。
アルが着ているTシャツに染み込んでいくセシリーが流した涙。
プールサイドからそんな二人の姿を笑顔でおえかきしているエミリー。

アル
「 おやすみ、エミリー。またあした。See Ya Later。」
エミリーの寝顔にキスをしたアル。
アル
「 すまないな、セシリー。食器洗いは父さんが係りなのに。」
エミリーの部屋からキッチンへ来て食器洗いを終えたセシリーに話しかけたアル

セシリー
「 中指と薬指と子指をギプスで固定してるその右手じゃフォークを摘むようにし
 て持つのが精一杯でしょ。
 そんな手で食器洗いさせて食器を破られたら困るし。」
アル
「 ああ。
 エミリーにはデイジーの事、友達の所に泊まりに行ってるなんて言った
 けど、いつ迄も隠し徹せるもんじゃない。
 探偵に早いとこ見つけてもらわないとな。
 デイジーの居場所にゃ自信有ったんだけどな。。
 ふふ、デイジーの方が父さんの上を行ってたよ。
 流石、母さんの子だ。
 自分で探して迎えに行くってあの刻偉そうに言ったのに結局、探偵頼みなんてな
。」
セシリー
「 ・・・。」
◇セシリーの回想あの刻◇
アル
「 探偵を雇って、クリスティーの居場所と、
 ウチの事を調べたそうだ。 
 だったら、クリスティーのことをむかえに来てやりゃいいのに。
 探偵雇うとか、ウチの事を調べるとか、気にいらねぇ。
 明日、会う事になったから夕食は要らない。
 会ったら、説教してやる。 」
セシリー
「 …。 父さん、 」
アル
「 ん? 」
セシリー
「 …もし、あたしが家出したらどうする? 」
アル
「 自分で探してむかえに行く。 」
セシリー
「 そう。 」
アル
「 不満か? 」
セシリー
「 んん。そんな。 」
アル
「 家出なんかしてる暇があったら、父さんにしがみついてろ。 」

アルが偉そうに言ったあの刻を思い出すセシリー。
アル
「 だがなセシリー、父さんはこのままじゃ終らない。
デイジーを、
父さんが‘ この街 ’に購入した我がウェイバー家の者達が帰る場所である
この家に、連れ戻すからな。必ず。」
やや厳しい眼でセシリーにそう言ったアル。
セシリー
「 ( ちょっと恐い顔の時の父さんはすごく恐い。でも…。 )」

庭で一人夜空を見ているアル。
「 デイジー、おまえは今何処に居るんだ?
 父さんが見ているこの星空を、おまえも見ているのか?」
この夜(よ)の空は、
アルを天から見ているかの如く、
そして彼の気持ちを知ってか、
その頭上で幾多もの星の光を輝かせ、照らしている。
アル
「 天の光は全て希望。」
そう一人つぶやき満天の星を見続けるアル。


TO BE CONTINUED ≫


アルは
何を欠けるのか
何を遺すのか




□ エンド・ロール □

STARRING

アル・ウェイバー( バズ・マイヤー ) : 富田耕生

セシリー・ウェイバー( エレナ・スコットフィールド ) : 坂本真綾

エミリー・ウェイバー( ウェンディー・スウィックス ) : 矢島晶子

クリスティー・マッグレガー( メグミーナ・スミス ) : 豊口めぐみ

クラリス・ロシカ( スージー・アイランドブック ) : 島本須美

GUEST 

ニール・マッグレガー( ジョージ・ザック ) : 飯塚昭三

バニラ( HIMSELF ) : 千葉繁


posted by 仮面ヒッシャー電脳< 俺、創造! 〕 at 19:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 第2シリーズ MYD:U −血と肉と汗と涙と−  全13話 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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